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2011-05-10 00:00
ビンラディンについては、欧米寄りでない、より公平な判断を
吉田 重信
国際問題研究家
5月9日付けの本欄に伊藤将憲氏から「ビンラディンは犯罪者か、英雄か」との投稿があったが、他にも欧米の有識者らの意見を紹介する投稿もなされているので、私見を述べたい。まず指摘したいのは、ビンラディンが殺害された時の状況が、常識的な感覚では、極めて異常にみえるということである。米国の特殊部隊がヘリコプターでビンラディンの隠れ家を急襲し、彼の居間で12歳の娘の目の前で彼を殺害したという。その瞬間、オバマ米大統領と指揮した将軍たちは、テレビを見ながら「仕留めた!」と歓声をあげたという。なんのことはない。テレビでの暴力シーンを楽しむのとなんら変わらない有様である。
米政府の説明によれは、戦闘活動の一環であるとされているが、1人の人間がほかの人間によって殺されることには変わりがない。道徳的配慮が入りこむ余地がない。しかし、いかなる弁明があるにしても、米国の行為が9・11事件に対するあからさまな報復行為であったことは明らかだ。今回の米国にやり方を見ると、米国は西部劇時代とを変わらない野蛮な文化をもっているように思える。
もちろん、9・11事件を引き起こしたテロリスト集団のやり方も極めて汚なかった(unfair)といえる。しかし、公平に判断するためには、9・11事件の遠因には、欧米諸国によるイスラエル擁護政策に対するイスラム勢力の憤懣があったことも視野に入れて議論する必要がある。しかも、テロリストの首謀者とされたビンラディンは、イラクにおいて米国から訓練を受けたとされているので、彼を訓練した米国にも責任があるといえる。
キリスト教勢力とイスラム教勢力の間の抗争という実態に面して、公平な判断をするべき日本からみれば、米国の行為を擁護する欧米の有識者の意見ばかりを聞いていては、公平な判断をするこができない。キリスト教国でも、イスラム教国でもない日本は、中東情勢についてもっと公平な判断をすることが求められているのではあるまいか。
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