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実験国家「ブータン」としての可能性と展望   
投稿者:鈴木 崇弘 (千葉県・男性・城西国際大学大学院客員教授・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-05-22 18:49 [修正][削除]
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3299/3299
 ブータンは多くの制約や問題がある国だ。国土は日本の九州ほどの広さに過ぎない。人口は70万人程度で、日本でいえば政令指定都市の規模程度に過ぎない。主要産業は農業だが、国土のほとんどが山岳地区にあり、耕作地は国土全体からすると非常に限られている。空間的にかつ地形的・地理的に分断され、人々の緊密な繋がりをつくるのに大きな制約がある。ブータンは、このような状態の中、教育に力を入れており、全国民が無料で教育が受かられるようになっている。国民の識字率は高く、高学歴化してきている。他方、若者、特に都市部の高学歴の若者は失業率が高く、それゆえ、若者のアルコール中毒やドラッグ問題なども深刻だと聞く。要は、人材が社会的に十分に活かせていないのだ。

 このようにブータンが抱える制約や問題を考えるとキリがない。どうやってこの国をサスティナブルに発展させていけるのかと頭を抱えてしまいそうだ。だが本当にそうだろうか?たとえば、山や谷で隔絶され、国全体や国民同士の活力を生み出しにくい環境については、現在のテクノロジー、特にIT、スマートホン(スマホ)やスカイプ・TV会議システム、遠隔地のロボット型のコミュニケーションツールやVRなどを活用すれば、どこにいてもリンクされ、都市部に出なくとも、たとえ隔絶場所にいても仕事ができる。高学歴の若者も、農村に居ながら、専門性高いプロの仕事や活動ができる可能性が生まれる、あるいはその可能性を探ることができるのだ。

 さらに、最近日本などでも注目されている無人飛行機「ドローン」を活用して、各町村を結ぶ流通網や交通網を確立する実験ができないだろうか。ドローンは近い将来ヒトも運ぶことが可能になると予想されており、ブータンではドローンが人の移動でも大活躍しそうだ。他方、農地や農業における制約が多い中、より効率よく農業を行い、より高い生産性を確保するためにも、ITやIoTをどのよう活用し、どのような可能性を見いだせるかを試行、実験することも大きな意味がありそうだ。そのような実験を通じて、農業等の産業に革命的な変革を生み出せるかもしれない。

 このように考えると、ブータンは、多くの制約や困難があることが、逆にテクノロジーの潜在的な可能性を探る実験場としての絶好の機会をもたらせるとも考えられる。ブータンをこのような実験国家にすることで、現時点では必ずしも十分に活かされていない、優秀でやる気のある同国の若者に仕事や希望を与えることにもなるだろう。ブータンの若い世代は、英語にも堪能であり、その点でも、ブータンが国内外の人材を活かす場所になる可能性は高い。ブータンが実際にこのような「実験国家」「イノベーティブ国家」「未来ビジョン国家」になるには、資金などさまざまなハードルもあろうが、制約があるからこそ、ブータンにはその分、可能性とチャンスがあると思えてならない。

グローバル化と政治選択   
投稿者:池尾 愛子 (東京都・女性・早稲田大学教授・60-69歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-05-22 09:32 [修正][削除]
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3298/3299
 今年2017年のアジア太平洋経済協力(APEC)のホストはベトナム社会主義共和国である。5月16日のハノイの演説で、ホスト国のチャン・ダイ・クアン国家主席が、自由貿易の推進を高らかにうたい、「グローバル化は不可避で後戻りできない」としたことが、APECのウェブサイトで紹介されている(http://www.apec.org/)。また、APEC政策支援ユニット作成の「APEC地域趨勢分析(APEC Regional Trend Analysis)」の2017年5月版では、グローバル化のメリットとデメリットが説かれ、包括性と持続可能性をもたらす政策が必要であるとしている。また、2016年の世界の海外直接投資(FDI)では、APECが世界全体の46.7%を引き付け、アメリカ一国でも26%に上ることが紹介されている。

 実際、グローバル化の流れ自体は、貿易・技術進歩が続く限り、止めることはできない。しかし、グローバル化を推進したり、グローバル化の勢いを和らげたりすることはできるであろう。グローバル化とどう向き合うかは政治選択である。地域の経済統合は地域の対外競争力を向上させてきたことは確かである。ただ、多くの技術進歩は民間の努力によってなされてきているが、情報通信技術の飛躍的進歩をもたらしたコンピュータやインターネット関連技術は例外である。アメリカの半導体産業の場合、初期時点では軍事や宇宙開発などの政府調達によって育成されてきており、民生需要が展開するようになった後にも、先端的研究開発では政府調達が重要な役割を果たしてきた。

 欧州連合(EU)はグローバル化推進機関である。アジア太平洋地域では、1967年の欧州共同体設立、1968年の欧州共同体内の関税撤廃を見て、国際経済学者の小島清氏が太平洋自由貿易地域(PAFTA)を提案したのである。1967年には、太平洋経済委員会(PBEC)が始まっている。太平洋貿易・開発(PAFTAD)の会議、太平洋経済協力会議(PECC)の開催が、1989年のAPEC誕生につながっていく。また、東南アジア諸国連合(ASEAN)の設立も1967年である。

 欧州の世界におけるプレゼンス(存在感)の向上を掲げて、1993年1月1日までに単一市場を成立させるタイム・テーブルを含む白書を発表したのは、1985~1994年に欧州委員会議長を務めたジャック・ドロール(Jacques Delors)氏であった。彼はそれ以前、フランス社会党の経済顧問を務め、ミッテラン大統領により1981年に財務大臣に任命されていた。それゆえ、彼を社会主義者(socialist)と呼ぶ人たちがいる。共通通貨の提案は、正統派あるいは主流派の経済学者・エコノミストにはできない提案だったと思う。単一通貨圏については、国民通貨への後戻りは難しいので、別の不均衡調整策が必要とされているのかもしれない。それに対して、将来を担う若い人達の交流は学生交流プログラム(1987年開始)により継続し、グローバル化を着実に推進してゆくと思われる。

グローバル市場の覇者が共産国家というパラドクス   
投稿者:倉西 雅子 (神奈川県・女性・政治学者・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-05-19 17:30 [修正][削除]
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3297/3299
 軍事力においては群を抜いていたソ連邦も、統制経済の失敗により消滅する運命を辿ることとなりました。統制経済には市場経済に内蔵されている発展のメカニズムが欠如していますので、ソ連邦の経済は停滞を余儀なくされたのです。

 その一方で、共産主義国家は経済成長しないとするジンクスは、政治的には共産党一党独裁体制を維持しつつ、経済的には改革開放路線を選択した中国によって破られることになります。積極的な外資の導入と安価な労働力を武器に飛躍的な経済成長を遂げ、中国製品が全世界の市場に溢れかえるのです。2002年にはWTOにも加盟し、この時、誰もが中国は“普通の市場経済国家”に変貌した信じたことでしょう。

 しかしながら、中国は、真性の“普通の市場経済国家”へと移行したのでしょうか。改革開放路線に対する期待は、中国の国内経済にあって民間企業等の活動も盛んになり、中間層が形成されれば自然に民主化し、名実ともに普通の国家へと変化するというものでした。しかしながら、昨今の様子を見ておりますとこの見方は楽観的であり、むしろ、共産主義国家であったからこそ、中国は、破竹の勢いてグローバル市場を席巻したという見方もできないわけではありません。何故ならば、13億の人口を擁する巨大国家が、その廉価な人件費を武器に、国家を挙げて国際競争の世界に参加すれば、当然に、強大なる競争力を有することとなるからです。ソ連邦は、西側の国際経済や産業と切り離されていたため、経済力で西側陣営を脅かすことはありませんでした。ところが中国は、統制経済時代の経済停滞を逆手に取り、これに起因する安価な労働力を西側企業に提供することで輸出攻勢をかけたのです。政府系企業を温存しつつ、中国が西側諸国の企業を取り込んだことによって、“民主主義国家陣営”は、内側から切り崩されつつあります。

 そして今や、中国は、自らをグローバル経済の指導者と称して憚らず、自国中心の“中華経済圏”を構築すべく、一帯一路構想に象徴されるように、共産主義の特徴でもある政治と経済との結びつきを強めています。グローバル市場の覇者が政治的野心に満ちた共産国家というパラドクスに、果たして、民主主義諸国は耐えられるのでしょうか。

(連載2)韓国経済の現状について ← (連載1)韓国経済の現状について  ツリー表示
投稿者:真田 幸光 (埼玉県・男性・大学教員・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-05-18 10:15 [修正][削除]
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3296/3299
 韓国の本年1~3月の実質国内総生産(GDP、速報値)は前期対比0.9%増と、前期の増加率である0.5%から0.4ポイント上昇し、昨年4~6月期の0.9%以来、3四半期ぶりの高い成長率となったことを韓国銀行は指摘、その上で、「世界的な景気の回復で輸出が持ち直している上、建設投資と設備投資も伸び、景気回復への期待が徐々に膨らんでいる」と言った主旨の見方を示しています。

 そして、これを受け、韓国国内では、「韓国銀行が示したデータは、市場の見通しであった0.7~0.8%も上回った。このままのペースで景気の回復が続けば、年間の成長率は韓国銀行が今、示している見通しであるところの2.6%を上回る」との見方も出てきています。

 そうした総括をした上で、韓国銀行の発表内容を引用してみますと、「本年1~3月期のGDPの伸びは、設備投資の大幅増が続いていることに加え、建設投資と輸出がプラスに転じた影響が大きい。設備投資の増加率は前期比4.3%と、前期の5.9%を下回ったが、前年同期対比では14.3%の高い伸び率となった。これは半導体が好況で、半導体製造装置など機械類の投資が急増した為と見られる。また、建設投資は分譲物件の増加などにより、前期のマイナス1.2%から5.3%のプラスに転じた。輸出も前期は前期対比でマイナス0.1%となったが、本年1~3月期は半導体、機械・設備などを中心に1.9%増し、また、輸入は機械および設備、精密機器などが増加し全体で4.3%増加している。民間消費は非耐久消費財とサービスが減少した半面、海外消費が伸び、増加率は同0.4%と、前期の0.2%を上回った。業種別で見ると、輸出回復を追い風にした製造業の成長が牽引している。建設業も4.0%伸び、2015年7~9月期の4.2%に次ぐ高さとなり、農林水産業も6.4%成長している。一方、サービス業は卸小売業および飲食宿泊業、文化およびその他サービス業などは、0.1%増となっている」とコメントされています。

 新政権の国家運営姿勢と北朝鮮問題の推移もフォローしつつ、今後の韓国経済の行方を眺めていきたいと思います。(おわり)

(連載1)韓国経済の現状について  ツリー表示
投稿者:真田 幸光 (埼玉県・男性・大学教員・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-05-17 16:07  
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3295/3299
 韓国経済については、日本にとっても、関係が少なくなく、一定の関心を持って、フォローしていくべきかと思います。即ち、例えば、日本企業の対韓投資残高は300億米ドルを超えており、また、東レやデンソーなどの日本主要企業の一部は、韓国国内市場はもとより、韓国を輸出拠点の一部として、韓国進出、韓国企業との連携をしている。

 また、日本の中堅・中小企業の一部には、日本企業に対する核心部品の供与ばかりでなく、韓国企業への供与も行っており、こうした企業にとっては、韓国経済の状況は、ビジネスそのものにも影響しますので、韓国経済のフォローは不可欠となりましょう。こうした中、北朝鮮問題があるにも拘らず、比較的堅調に推移してきた韓国経済に関して、中央銀行である韓国銀行は、「景気回復への期待が強まりつつある」とコメントしています。

 一方で、中国本土や北朝鮮、或いはロシアを向いて、相対的には国家運営をするであろう、従って、米国との関係を重視した暫定政権が進めてきたTHAADの配備も反故にするかもしれない文氏の大統領当選が米韓関係にどのように影響を与え、それが、韓国経済に如何に影響するのか、更には、まだまだ、流動的な北朝鮮問題の展開が韓国経済にとってどのように影響するのか等々をもう少し細かくフォローしていく必要があるかもしれません。

 しかし、今回は、上述した、韓国銀行が発表した本年1~3月期の韓国経済概況の内容を基に、これをフォローし、韓国の中央銀行が見る韓国経済の現状を確認しておきたいと思います。(つづく)

(連載2)マクロン政権の行方 ← (連載1)マクロン政権の行方  ツリー表示
投稿者:倉西 雅子 (神奈川県・女性・政治学者・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-05-16 10:21 [修正][削除]
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3294/3299
 第1に関連して第3に、新自由主義者が利益を得ている事業の一つは、“移民ビジネス”や“企業合併ビジネス”です。日本国における新自由主義の代表格である竹中平蔵氏がパソナの会長であるのは偶然ではありませんし、国境を越えた企業合併や買収の増加は、多国籍企業が増加すると共に、資金を提供する金融部門にとりましても利益を得るチャンスとなるのです。

 第4に、グローバルな競争において敗者となった人々への対応をめぐりましては、政府が、失業者に対して手厚い職業訓練等を実施し、成長産業への人材シフトを促すとされていますが、そもそも、雇用側の企業は、外国人や移民を優先的に雇用する方針を採っておりますので、新旧産業の間に勤務内容において著しいギャップがある場合には、このギャップを埋めるのは至難の業です。工場で組み立て作業を行っていた勤労者が、工場閉鎖によって職を失った場合、たとえ一定期間の職業訓練を受けたとしても、人材が不足気味とされているAI産業の技術開発部門において職が見つかるとも思えません。

 第5に指摘し得ることは、公益事業の民営化もまた、新自由主義政策の基本路線であることです。マクロン氏は、貧困対策の財源として5年間で12万人の公務員削減を主張していますが、おそらく、民営化にともなっての人員削減を実行に移すと予測されます。民営化されれば、当然に、効率性重視の大規模なリストラが実施され、全土に失業者が溢れることでしょう。しかも、民間企業ともなれば、もはや公務員ではありませんので、被雇用者をフランス国籍に限定する義務もなくなります。

 以上に主要な点を挙げてみましたが、何れもが、統合とは正反対の方向性を示しています。新自由主義政策は、“移動”や“格差”を利益の源泉としているため、国家や国民に対して強力な分解力として働くのです。このように考えますと、新自由主義者に統合力を期待することは、不可能に近いのではないかと思うのです。(おわり)

(連載1)マクロン政権の行方  ツリー表示
投稿者:倉西 雅子 (神奈川県・女性・政治学者・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-05-15 15:39  
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 今般のフランス大統領選挙は、フランス国内の分裂の深刻さを浮き彫りにしたとも評されております。これを裏付けるかのように、当選を決めたばかりのマクロン氏は、パリ市内において“マクロン辞めろ”の大規模デモに見舞われたと報じられています。

 選挙期間を通じて深まった国内分裂を前にして、マクロン政権の重要課題は、フランスに和解と連帯、即ち、統合をもたらすことにあると指摘されております。しかしながら、氏が心酔する“中道”という名の新自由主義に対して統合力を期待することには無理があります。何故ならば、新自由主義とは、国家を消滅させることによって、はじめてその理想を実現することができるからです。新自由主義者は、全世界を一つの自由なグローバル市場と見なし、国境という障壁に阻まれることなく自らの事業を最適に分散化、かつ、もの、サービス、資本、人、技術、情報など自由に移動させることで、自らの利益を最大化することを目指します。新自由主義の方針に従えば、マクロン氏の唱えた“競争力の強化”は、以下の結果を招くことが予測されます。

 第1に、フランスが、労働コストにおける国際競争力を回復するには、賃金レベルの低下をはかるか、安価な移民労働力を受け入れるしかありません。先進国における競争力の回復とは、即ち、国民の生活レベルの低下と移民の増加と同義となるのです。また、事業の最適分散の原則に従えば、大量失業を伴う製造拠点の移転も、民間企業に対して奨励すべき政策となります。

 第2に、新自由主義者は、民間企業に対して新たな成長産業分野への投資を促します。しかしながら、新自由主義者の理想が、国籍を問わない徹底した能力主義と多様性の尊重である限り、グローバル企業に雇用される人材とは、何れにしても外国人が多数を占めることになります。一般のフランス国民の雇用のチャンスは、減少こそすれ、増加するとは思えないのです。(つづく)

日本がとるべき経済成長戦略について   
投稿者:真田 幸光 (埼玉県・男性・大学教員・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-05-12 15:57 [修正][削除]
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3292/3299
 私がいつもご指導を戴いている、元企業家であり、父上から受け継がれた企業を公開させたという企業経営の経験を持つ方は、常日頃から「大きな変化を求めない限り、経済の変革はない」と仰り、「例えば」と前置きしつつ、「自動車を無くすと言う世界を想定しつつ、コペルニクス的転換を求めるイノベーションをしなくてはならない」と仰っています。「閉塞感」のある日本、そして、先進国の現状を見ると、そのくらいの大胆な発想の転換をしないといけないかと思います。

 しかし、それは、「それだけの発想の転換をすることは容易ではない。そしてまた、発想の転換ができたとしても、それを商品化した上で、ビジネスとして体系化していくことは更に難しい」という現実がある上、「転換させられる産業分野で生きている現在の企業、ビジネスマンの既得権を失うかもしれないという不安に基づく、転換を拒む力が働く可能性は大きく、更に実現は難しい」と言えるかもしれません。従って、こうした「大掛かりなイノベーション」は政治の力を借りつつ、国家戦略の中で図っていくべきかと私は考えています。また、それはそれで、少しずつでも良いので、具体化させるべく、進めていくべきかと考えています。

 しかし、もう一方で、目先の変化を少しでも良いので実現させていく努力も必要かと考えています。匍匐前進ですね。例えば、これまでの常識から離れて「大量生産大量販売型の規模の経済性を追うビジネス」のみならず、製品単価が高い商品、サービスを扱う企業、業種であれば、「大量を求めつつも、少量、変量にも対応して、多品種、高品質、高利潤を求める。即ち、規模だけではなく、質に注目した経営にも注力する経営への転換を図る」ことも一策であると私は考えています。そして、それを新たな販売先に求めていき、経営を改善していく企業が増えていけば、じわじわと日本経済そのものも上昇気流に乗っていく、こうした「大規模な変革と小規模な変革を求めて、産官学金融労働界が一致団結して動いていくことこそが、アベノミクスに言う成長戦略であり、企業の売上高が増えていけば、自然に価格も上がる、これこそが真のデフレからの脱却となる」と私は考えています。

 例えば、こうした中、昨年10月からANAグループは、機内食で培ったノウハウを生かし、家庭向けの食品販売事業を開始しました。「ファーストクラスやビジネスクラスの味を家庭でも手軽に楽しめる」というコンセプトで、改革に出てきたのです。この新事業のブランドは「ANAのおいしいコレクション」と言われ、その第1弾は「謹製おせち三段重」(税込み2万3,500円)と「おいしいスープセット」(9個入り、税込み5,400円)で、ANAのショッピングサイトで販売され、機内食で人気のパンやスイーツの販売も行われています。こうした、見た目には小さくても、地道な、しかし、地に足のついた変革と国家主導の大規模な変革を組み合わせた成長戦略の推進を日本は進めるべきであると最近、改めて感じています。

(連載2)中国の対北制裁デッドラインこそ警戒すべきでは ← (連載1)中国の対北制裁デッドラインこそ警戒すべきでは  ツリー表示
投稿者:倉西 雅子 (神奈川県・女性・政治学者・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-05-11 10:35 [修正][削除]
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3291/3299
 第3に、中国からの“警告”は、北朝鮮にとっては“渡りに船”であり、核実験を停止している間は、準備期間となり得ます。ロシアやその他友好諸国との関係を強化し、国際的制裁網からの抜け道を確保すると共に、生物化学兵器、大型潜水艦、長距離弾道ミサイル技術など、核以外の分野における軍事力増強に専念する時間的猶予が生まれます。中国のデッドラインは、北朝鮮の軍事的脅威を逆に高める結果も予測されるのです(29日に北朝鮮は、中距離ミサイルの発射に失敗しましたが、核実験再開でなければ制裁を免れると判断したのでは…)。

 第4に、中国のデッドラインは、アメリカの先制空爆を牽制する意図も隠されているかもしれません。国際社会に対して、中国が対北制裁に積極的な姿勢で臨み、かつ、北朝鮮が核実験を実施していないにも拘わらず、単独で対北空爆に踏み切ったとして、アメリカを非難するための布石を置いているとも考えられるのです。もっとも、中国の批判に同調するよりも、北朝鮮が独裁体制の下で核を保有しているという現実を直視すれば、アメリカの空爆を支持する諸国の方が数において優るものと予測されます。

 第5として、北朝鮮は、核実験を経ずして、他国を核ミサイルで攻撃する可能性も否定はできません。つまり、制裁を受ける前に、北朝鮮は、甚大な被害を他国へ与えるかもしれないのです。実際に北朝鮮は、中距離ミサイルによる核攻撃を示唆することで、日本国を含む周辺諸国を威嚇しています。“遅きに失する”ということにもなりかねないのです。

 以上から、米軍による空爆を含めた北朝鮮問題のデッドラインを核実験の再開に定めたい中国の思惑が浮き上がってきます。果たして、国際社会は、中国が暗に設定したデッドラインに追随するのでしょうか。中国の思惑通りにデッドラインが定まれば、朝鮮半島情勢は膠着状態に陥り、米軍は、朝鮮半島に釘付けとなりましょう。時間の経過が北朝鮮優位に情勢を傾かせるとしますと、アメリカのトランプ政権が、中国の対応に満足するとは思えないのです。(おわり)

(連載1)中国の対北制裁デッドラインこそ警戒すべきでは  ツリー表示
投稿者:倉西 雅子 (神奈川県・女性・政治学者・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-05-10 15:27  
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 北朝鮮が狂気に駆られた暴力主義国家であるとしますと、その後ろ盾である中国は、したたかな無法国家と表現すべきなのかもしれません。緊迫する朝鮮半島情勢を前に、その中国は、制裁に関するデッドラインを北朝鮮に伝達したそうです。

 中国が示したデッドラインとは、“北朝鮮が、再度、核実験を実施したならば独自制裁を科す”というものです。この意味するところを読み解きますと、中国は、自国、並びに、北朝鮮のために姑息な逃げ道を造っているとしか考えられないのです。

 第1に、中国は、対北制裁の条件として核実験の実施を一方的に設けております。北朝鮮に対して独自制裁を宣言しているのですから、この条件付けは、中国が北朝鮮に対して厳しい態度で臨むと共に、アメリカの要請にも応えているように聞こえます。しかしながら、中国側のデッドラインは核実験の再開ですので、北朝鮮が何もしない限り、中国も何もしないことを意味します。つまり、このデッドラインは、中国による対北支援に逃げ道を与え、アメリカから要求されている制裁強化を体よく回避しているのです。中国が、注目されている石油輸出の完全停止に踏み切るとも思えません。

 第2に、年当初の核実験は水爆実験とされていますが、今後に計画されている核実験とは、核兵器の破壊力の増大を目的としたものと推測されます。現状として北朝鮮が、水爆より威力は劣るものの、各方面から指摘されているように数十発程度の通常の核兵器を既に保有しているならば、結局、北朝鮮の核保有は既成事実化されます。中国のデッドラインは、北朝鮮による核保有の容認を意味しかねないのです。(つづく)

(連載2)現行の世界秩序の変化の中での米国の動きについて ← (連載1)現行の世界秩序の変化の中での米国の動きについて  ツリー表示
投稿者:真田 幸光 (埼玉県・男性・大学教員・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-05-09 10:16 [修正][削除]
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3289/3299
 これに対して、シリアに対しては、何故、米国の単独軍事行為が実行されたかと言えば、それは、ISなどのテロ活動の拡大にある欧州の同盟国を意識したこと。更に、シリア周辺に、米国のこうした軍事行動に直接対峙するであろう国家が地理的に存在しなかったこと。そして、中東問題の根幹にあるイスラエルとの関係からすれば、国防省筋が米国単独軍事行為に出たことを、国際金融筋も一旦容認したものと思います。

 しかし、北朝鮮に対しては、北朝鮮自身の表面的に見える侵略行為やテロ行為は顕在化しておらず、こうした中にあっての軍事行動には国際社会に於いて大義名分が立てにくい、北朝鮮周辺には一時的であっても混乱を嫌う中国本土や、態度をはっきりと示さぬロシアが北朝鮮に隣接する国として存在していること、そして、ここで強引に軍事行動に出ると、中国本土やロシアをも巻き込む形で、更なる対立を深める危険性があること、そして、何よりも欧州が不安定な中、更なる混沌を拡大するような現実を生み出すであろう、北朝鮮に対する戦線拡大を自ら仕掛けていくことは不合理であり、リスクが高過ぎると国際金融筋は見ていると思います。

 そこで彼らの言う、北朝鮮対応のシナリオのトップに出て来ているものは、「現状維持」であります。この現状維持の意味するところは、南北朝鮮の存続、朝鮮半島の現行の秩序維持、金正恩政権の存続、であり、その前提として「北朝鮮は即時核開発とミサイル開発を停止、きちんとした証拠を付してその真意を米中に伝える。これにより、米中は北朝鮮からの核攻撃リスクを事実上回避する。一方、金正恩政権にとっては、核開発とミサイル開発の中止は朝鮮人民に対する自らの威信低下に繋がるとして、こうした米中の申し入れを受けぬ危険性があることから、表面的には核開発とミサイル開発が完了したように見せても構わない、但し、米中にだけは、上述したように証拠を付して核開発とミサイル開発を中止したことを速やかに報告せよ」との方針を以って対応しているようであります。

 そして、こうした背景もあって、北朝鮮リスクがこれほど指摘されていても、アジアの金融市場の動揺は限定的であるとも思われるのであります。しかし、トランプ政権を支える柱のもう一つの大きな勢力であるところの国防省筋は、北朝鮮、そしてその背後に見え隠れする中国本土やロシアに対しては、国際金融筋ほど寛容ではないようです。即ち、北朝鮮の核開発とミサイル開発の流れはこれまでの経験からしても止まぬであろう。そうであるとすれば、今が北朝鮮を叩く大きなタイミングである。また、万が一、核武装する北朝鮮と中国本土and/orロシアが、今後、提携してくることとなれば、米国の覇権はアジア地域のみならず世界的にも大きく低下する危険性を持つと考えているようで、北朝鮮に対してはかなり強硬姿勢のようであります。こうした国際情勢の中、当の北朝鮮がどのように反応してくるかも不確かであり、中国本土やロシアの出方によっては、アジアでも混沌が更に深まる危険性もあり、私としては不安が募ります。(おわり)

(連載1)現行の世界秩序の変化の中での米国の動きについて  ツリー表示
投稿者:真田 幸光 (埼玉県・男性・大学教員・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-05-08 16:17  
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3288/3299
 しばしば申し上げておりますが、私は、「現行の世界秩序」が崩壊していくトレンドに今はあり、時代は、よく分からないと言う「混沌chaosの時代」から、秩序が崩れていくという「混乱disorderの時代」へと、そして、ひょっとすると混乱が更に深まり、無秩序となる「無政府状態anarchyの時代」にまで、悪化する危険性を孕んでいると考えています。

 そして、こうした混沌の深まりを導く背景として、(1)覇権国家間の対立の深まり、(2)国の枠組みそのものの変化の可能性、(3)ISやボコハラム、アルカイダやタリバンに象徴される過激派組織の動き、などがあると考えています。更に、最近になって、「現行の世界秩序の変化」を直接的にイメージさせる現象としては、(4)英国内で見られるスコットランドの英国からの離脱の動きがあげられ、これは、大航海時代の終盤に覇権を握り、第一次産業革命の勢いにも乗って現行の世界秩序の根幹を支えてきた英国そのものの弱体化を齎し、英国連邦の威信が低下する中、世界の「現行の世界秩序の変化に対する不安」は急激に高まるのではないか。

 また、そうした中、(5)その英国のEU離脱=Brexitに続いてフランスのEU離脱=Frexitの可能性も指摘され、これらの動きは、欧州連合の崩壊の可能性に真実味を帯びさせていくようになる。その結果、EUが発行する通貨・ユーロの信認低下にも繋がり、こうしたことから欧州の金融秩序が崩れ、ひいては、国際金融秩序の大幅な悪化に繋がり、世界経済の大混乱が「現行の世界秩序の変化の明確なトリガーとなる」のではないかと見ております。私自身はこうした視点、問題意識から、現在の最大のチェック・ポイント地域は、米国でもアジアでもなく、「欧州である」とも考えています。

 さて、一国の政権は、その実態を見ると、必ずしも堅固な一枚岩にはなっていません。それは、米国のトランプ政権も同様かと思います。そして、そのトランプ政権を支える柱の一つである国際金融筋は、前述したような国際情勢の中にあって、これ以上の国際社会の混乱を基本的には望んでいない。ただでさえ、過激派の欧州に於けるテロ活動の活発化には手を焼いており、北朝鮮まで混乱を拡大させていくことは総合的には不利益であると考えていると思われます。(つづく)

(連載2)トランプ政権による国境調整措置 ← (連載1)トランプ政権による国境調整措置  ツリー表示
投稿者:緒方 林太郎 (福岡県・男性・衆議院議員(民進党)・40-49歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-04-28 09:48 [修正][削除]
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 ただ、このアイデアについては、輸出についてはWTO補助金協定、輸入についてはGATTが伸し掛かります。つまり、直接税の免除は輸出補助金で禁止、間接税については「生産及び流通に関して課される間接税の額を超え」なければ輸出補助金として禁止されないのです。なので、仕向け地主義を間接税でやれば◎、法人税でやれば×という事になるわけです。

 また、輸入において仕向け地主義を導入して、輸入品は損金扱いせず法人税課税してしまうと、何故、輸入品だけ課税されるのかという視点からGATT第3条の内国民待遇に反する可能性が高いのです。こういう条約上のルールがあるので、上記の国境調整措置はそうそう上手くは行きません。しかし、よくよく考えてみると、特に輸出の部分では、何故法人税の仕向け地主義が輸出補助金に当たり、間接税の仕向け地主義が輸出補助金に当たらないのかという、税理論上(条約上ではない)の論理的な説明をする事は簡単ではないように思います。一つ確実に言えるのは、付加価値税では仕向け地主義が世界的にスタンダードになっているという事なのだと思いますけども、そんな事はアメリカには関係のない事でしょう。

 最後に三木財務大臣政務官はなかなか面白い答弁をしています。法人税への仕向け地主義を導入する事の意味合いを以下のように言っています。すなわち、(1)企業立地に中立な税制となり得る可能性がある、(2)輸出超過国にとっては税収減、(3)輸入品の値段が上がるので消費者の実質所得減となる、(4)輸入企業の競争力が下がる。

 その他にも多くの論点があるので、今日はキックオフという事でやらせてもらいました。まだ、国会議員で関心を持っている人は僅かですが、この件は絶対に今後、日本において大きくなってくるテーマです。(おわり)

(連載1)トランプ政権による国境調整措置  ツリー表示
投稿者:緒方 林太郎 (福岡県・男性・衆議院議員(民進党)・40-49歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-04-27 16:22  
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 今日(2017年4月12日)の内閣委員会の最後で、少しだけトランプ政権(というか共和党指導部)がやろうとしている「国境税・国境調整措置」を取り上げました。特定の国からの輸入に課税をする「国境税」については、さすがに米共和党も筋悪だと思ったのでしょう。今、共和党指導部が提示しているのは「国境調整措置」です。これはよく見てみると「とてつもなくどうしようもないもの」とまでは言えないような気がしています。国境税の文脈よりも、むしろ税制のあり方として捉えていく必要があります。

 アメリカは昔から他国がやっている輸出に際しての付加価値税の還付に不満を持ってきました。日本の消費税は、輸出するものについては消費税を還付します。これは何故かと言うと、「付加価値税は消費される場所で課すのが適当」とする仕向け地主義を世界的に採っているからです。しかし、米国は州毎の付加価値税はありますが、国レベルでの付加価値税がありませんのでそういう還付はしません。

 そうすると、例えば、第三国のマーケットで、輸出段階で消費税の還付を受けた日本車と、そうでないアメリカ車では競争力に差が出るという不満になるわけです。勿論、これに対する日本側の対応は「国レベルで付加価値税を設けて、それに仕向け地主義を採用すればいいではないか」となるわけですが、連邦政府と州との関係を根本から見直さなくてはならず、そう簡単には行きません。

 そこで今回、共和党指導部が、トランプ大統領の国境税の議論を引き取る形で、法人税にこの仕向け地主義を導入するアイデアを持ち込んできたという事です。まだ、はっきりとした事は分かっていないのですけども、漏れ聞こえてくる限りにおいては、輸出する際には輸出収入を法人税の課税対象から外す、輸入する際にはその製品は米国外で発生した費用なので損金扱いせずに法人税の課税対象とする、そういう発想です。(つづく)

安倍は政権の緩みを引き締めよ   
投稿者:杉浦 正章 (神奈川県・男性・政治評論家・70-79歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-04-27 07:51 [修正][削除]
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 「東北でよかった」という投稿がツイッターで受けている。青森ねぶた祭や仙台の七夕の写真が添付され、美しい東北の桜や紅葉も満載だ。すがすがしいツイッターにエールを送りたい。それにつけても辞任した復興相今村雅弘の異常さはどこから来ているのだろうか。筆者は新入社員の面接の際は東大法学部というと身構えたものだ。どうも経験値からいうと、マスコミの場合は外れが多い。もちろん東大法学部卒は政治家でも岸信介、佐藤栄作など超大物がいて、極めてバランスがとれた政治を行ったが、当たり外れが多いのだ。今村は見事に外れた例だろう。どうも勉強しすぎの人間には人間性の幅がない。のりしろがなくて、遊び、ゆとりが感じられない。それが発言に出でてしまうのだ。そういう政治家は、閣僚どころか政治家にも不向きだ。

 今村の発言危うさはその性格から見ても、いつかかは危険水域に到達するものであった。被災者が故郷に帰れないことを「本人の責任」と言ったころから、これはおかしいぞと感じていたが、ついに東日本大震災について「まだ東北で、あっちの方だったからよかった」と発言してしまった。ひとえに、こういう人物を任命してしまった首相・安倍晋三に責任があるし、本人もこれを認めている。政権の緩みを引き締め、態勢を立て直す必要がある。しかし、安倍のダメージコントロールは水際立っていた。4月25日夜の二階派のパーティーでの発言を安倍が聞いたのは、経済財政諮問会議終了後だ。発言を知ると、官房長官・菅義偉と協議の上、直ちに会場に駆けつけて「今村大臣の講演で東北の方々を傷つける極めて不適切な発言があったのでおわびする」と陳謝した。そして事実上の更迭に踏み切った。これだけスピード感のある対応は、半世紀の政治ウオッチで初めて見た。即断即決の危機管理が動いている証拠である。

 ところが、自分の派閥で党に迷惑をかけながら、幹事長・二階俊博 の対応は月とすっぽんであった。なんと記者会見で今村の発言をめぐる一連の報道について、「政治家が何か話をしたら、マスコミが、余すところなく記録を取って、1行でも悪いところがあれば、『これはけしからん、すぐ首をとれ』となるが、なんということか。言葉の誤解はないほうがいいに決まっているが、いちいち首をとるまで張り切らなくてもいいのではないか」とマスコミ批判に転じてしまったのだ。ばかも休み休み言えといいたい。「マスコミが、余すところなく記録を取って記事にするから、今の安倍政権がある」ことを分かっていないのだ。マスコミが総じて民主党政権の有り様を否定したから、自民党に政権が戻ったのだ。二階にはどうも政治の見方に対する厳しさが足りない。マスコミは何でも政府・与党を支持するべきだという甘さがある。国会議員の活動の基本は言論であって、問題はすべて言論によって決定されるのが国会の有りようなのだ。言論の府の政治家はその発言が全てであり、その表現力には自らの政治生命がかかっていると思うべきなのだ。

 安倍は土日返上で被災地を訪れ、被災者に寄り添ってきた。それにもかかわらず、こうした浅薄なる党内の発言が、まるでコツコツと積み上げたさいの河原の石を突き崩すことになる。そのことを自民党幹部は肝に銘ずるべきだ。一方、民進、共産など野党が鬼の首でも取ったように欣喜雀躍しているが、民主党政権のていたらくを思い出さざるを得ない。安倍政権は5年間で5人が辞めているが、民主党政権は3年間でなんと8人が辞任している。これに鳩山由紀夫と菅直人の辞任を加えれば10人が辞めている。鳩山はワシントンポスト紙に、「気が狂う」とか「頭が変な」という意味の「ルーピー」と名付けられたように、失言を繰り返し、首相を辞めてからはなんと「尖閣列島は係争地である」と宣うた。防衛相・小野寺五典が「国賊という言葉が一瞬頭をよぎった」とあきれたものだ。菅直人も福島原発で、あらぬ指示を頻発させて、へりで視察した結果、ベントを遅らせると言う致命的なミスをした。不倫報道されて「一夜を共にしたが、男女の関係は無い。こんなことに説明責任は無い」と発言したこともある。野党は他人の失言を追及している暇があったら、緊迫感が募る北朝鮮情勢の対応策でも提言してみてはどうか。この国難に野党はまるで知らぬ顔の半兵衛だ。野党は自らを省みて対応すべきであり、ゆめゆめテロ対策法などを人質に取って、国会審議を遅らせるような対応をすべきではない。集中審議などは本来北朝鮮情勢で行うべきだ。

トランプ政権の軍事・外交政策姿勢と米国の威信について   
投稿者:真田 幸光 (埼玉県・男性・大学教員・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-04-26 14:47 [修正][削除]
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 私は今の米国には国際社会を一国で押さえ込めるほどの総合的な国力は無いと見ています。そして、こうした状況にあるからこそ、米国は国際問題をマルチラテラルには解決出来ず、先ずはバイラテラルに解決した上で、マルチラテラルの解決を目指す姿勢を示し、例えば、貿易や投資と言った通商問題に関しては、バイラテラルで解決しようとしていると見ています。そしてまた、トランプ大統領は、米国の国力が落ち、威信低下が見られているからこそ、むしろ、米国の強さを意識的に世界中に示そうと、やり得る範囲で米国単独の強硬姿勢を示し、国際社会に米国の強さを示そうとしていると見ています。昨今のシリアや北朝鮮に対する強硬姿勢もこうした基本姿勢の中から生まれているのではないかとも見ています。

 従って、日本国内の一部で最近示されている、「今般の米国によるシリアの軍事施設に対する巡航ミサイル攻撃は、米国のトランプ政権の一国主義的=ユニラテラリズム=傾向を浮き彫りにした」との見方に対しては、表面的には賛成出来ても、その本質から見ると同意できないとの考え方を私は持っています。そして、「国際社会との協調や法律上の正当性よりも、自らが考える国益を最優先にするのがトランプ大統領の基本姿勢であり、オバマ前政権との対比が鮮明である」との見方が日本国内で出ていることについても、「トランプ大統領は、米国の威信低下をもたらした前政権の政策調整をしている」との立場を取りつつ、粛々と米国威信復活に突き進むと私は考えます。

 因みに、こうした強い米国経済復活に向けた政策の下、世界に拡散されている米ドルは一旦、米国に回帰する、従って、中長期視点から見れば、米ドル高に向かう可能性は高いとも見ています。いずれにしても、こうした背景の下、トランプ大統領は、ロシアや中国本土を含む国際勢力の反発や不満が「限定的である」と見て、シリアでの化学兵器使用が明らかになってからは直ぐに、国際協調を重視せず、米国の国際社会に於ける威信復活を目指して、時間を掛けずに攻撃を実行したと考えるべきであるとも私は考えています。そして、その上で、トランプ政権は、国連の安全保障理事会で、武力行使が認められる決議を得る為の他国への働きかけを行う努力もせず、国連憲章が認める自衛権の行使という考えを広く解釈したのか、法的な裏付けが明確でなくても、人道的な見地から軍事介入したのか、その明確な説明をせずに、今回の軍事的行為に出て、米国の威信復活を優先したと考えるべきであると思います。

 果たして、こうした米国・トランプ政権の軍事・外交姿勢とその具体的な動きが、日本の平和、そして世界の平和に繋がるのか、私には疑問も残りますが、いずれにしても、今の米国の動きをもう少しきちんと理解した上で、日本政府としても対応していくべきであると私は考えています。

(連載2)北朝鮮による対日核攻撃の可能性 ← (連載1)北朝鮮による対日核攻撃の可能性  ツリー表示
投稿者:倉西 雅子 (神奈川県・女性・政治学者・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-04-25 10:42 [修正][削除]
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 そして第3の方法とは、核爆弾の小型化が未完成の場合における、持ち込み式の核攻撃です。爆撃機に搭載した核爆弾を投下するという方法は、日本国の制空権を握らない限り不可能ですので、爆撃機からの投下の可能性はゼロに近いと言えます。ただし、北朝鮮船舶、あるいは、中国船籍船によって日本国内に核爆弾が持ち込まれる、あるいは、既に持ち込まれている可能性については留意する必要があります。

 このリスクに対しては、朝鮮総連やその関連団体の行動を監視すると共に、港湾や海上における警備を強化する必要があります。第3の方法は、複数の工作員による組織的な連携行動を要しますので、未然に防ぐことは可能です。もう一つの可能性を挙げるとすれば、日本国内の原子力発電所を狙ったテロ攻撃ですが、このリスクも、第3の方法への対処と合わせて防止することができます。

 日本国政府は、北朝鮮による対日核報復の可能性があるため、軍事行動に先立ってアメリカから事前通告を受けた際には、強固に反対すべき、との意見も聞かれますが、北朝鮮の核・ミサイル開発問題については、将来に予測される甚大なるリスクと比較衡量すれば、論理的な帰結は“リスクを覚悟してでも阻止すべし”とならざるを得ません。

 上述したように、北朝鮮の対日核攻撃能力はそれ程高いレベルにはありませんし、リスクを怖れていたのでは、核を以って全人類を人質に取ろうとする暴力主義国家の脅威から日本国民を、そして、人類を救うことはできないのではないかと思うのです。(おわり)

(連載1)北朝鮮による対日核攻撃の可能性  ツリー表示
投稿者:倉西 雅子 (神奈川県・女性・政治学者・50-59歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-04-24 15:09  
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 北朝鮮情勢をめぐっては、一触即発とも表現すべき緊迫状態に至っております。アメリカによる北朝鮮空爆の報復として、対日核攻撃も取り沙汰されておりますが、果たして北朝鮮は、対日核攻撃の能力を有しているのでしょうか。日本国に対する核攻撃の可能性については、凡そ、3つの方法が想定されます。

 第1の方法は、地上のミサイル基地からの中距離ミサイルによる核攻撃です。この方法については、北朝鮮がミサイル発射の兆候を見せた時点で、アメリカが瞬時に空爆に踏み切る決断を下すと想定されますので、敵地ミサイル基地の破壊によって防ぐことができます。また、そもそも、北朝鮮が、ミサイル搭載可能な核爆弾の小型化に成功したか否かが不明であり、この点を考慮しても、第一の方法による対日核攻撃の可能性は低と言えます。

 もっとも、北朝鮮が、地下に移動式のミサイル発射施設を密かに建設していた場合、先制による敵地ミサイル基地の破壊は困難となります。ただし、移動式ミサイル基地については、監視衛星によって実証実験は確認されておらず(通常、実験を繰り返さなければ技術は確立しない…)、この方法を試みたとしても、必ずしも成功率は高いとは言えません。何れにしても、日本国政府は、至急、日本海にイージス艦を派遣すると共に、地上配備のパトリオットPAC-3システムで迎え撃つ体制を整えるべきです。ミサイル迎撃準備については、北朝鮮のミサイルが長距離弾道弾であり、その照準がアメリカ本土であったとしても同様です。

 第2の方法は、潜水艦に搭載した核ミサイルによる海中移動式の攻撃です。北朝鮮が核ミサイル搭載・発射能力を有する潜水艦を保有しているか否かも定かではありませんが、最貧国に加えて核・ミサイル開発に国家予算を注ぎ込んでいますので、この分野での技術力には疑問があります。地上のミサイル基地からの攻撃よりも高い技術力を要する上に、探知能力に優れた海上自衛隊の潜水艦により、事前に水面下での行動がキャッチされるものと予測されます。この場合にも、北朝鮮潜水艦がミサイル発射に至る前に、日米両軍の何れかの先制攻撃により阻止されることとなりましょう。(つづく)

(連載2)内閣委員会質問(医療ビッグデータ法) ← (連載1)内閣委員会質問(医療ビッグデータ法)  ツリー表示
投稿者:緒方 林太郎 (福岡県・男性・衆議院議員(民進党)・40-49歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-04-22 14:35 [修正][削除]
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 この作業を了した上で質疑に臨みました。事前に神山洋介理事、初鹿明博議員、北神圭朗議員が質疑した後でしたので、私が用意した質疑の一部は既に出てしまいましたが、それなりに取捨選択しながら質疑をしました。上記に書いた事の確認の部分以外で言えば、この仕組みを導入する事によってお金の流れがどうなっていくのかという事を質問しています。つまり、この医療ビッグデータ法をめぐってどういうマーケットが出来るのかという事が想像できないのです。

 情報の流れは医療機関等→認定事業者→利活用者であって、対価の流れはこの逆です。医療機関等から認定事業者には、匿名加工前の生データが行きます。そして、その対価は「コスト」のみという事になっています。ただ、普通に考えるとシステム整備にお金が掛かりますが、政府はそのお金は認定事業者が面倒を見る事を想定しているようでした。かつ、医療機関等からすると、「無いとは思うけど、もし情報が漏洩してしまったら…」というリスク要因を抱えます。そうすると、生データ提供に対するシステム+リスク対応という分がコストになれば、1データ毎の金額は相当に跳ね上がるのではないかという気もします。

 そうすると、認定事業者の収入はすべて利活用者からの対価が原資ですから、認定事業者から利活用者への匿名加工されたビッグデータの提供で相当な金額での売買が成立しないと、認定事業者は医療機関等への対価の支払いができないんじゃないかなという気がするのです。利活用者から認定事業者に払われる対価の水準について、政府は「情報収集加工コストを基本に適度のマージンを上乗せ」と言っています。これが何なのかはよく分かりませんでした。もっと言うと、認定事業者から利活用者にビッグデータを提供(売買)する場合にオークション的な事が起きてしまうのではないかという懸念もあります。「●●製薬さん、幾ら買うって言ってます? うちはその倍出しますから、うちだけに提供してください」、公益性のある研究開発に資するようにやる仕組みですから、そんなやり取りが起こらないようにしてほしいと思います(法案修正でもその取っ掛かりとなる規定は盛り込んでありますので)。

 まあ、その他質疑では色々とありましたが、質疑終局後に私が上記の修正案の趣旨説明をして、討論があり、採決(わが方は賛成)、最後に附帯決議と流れていきました。近々本会議採決もあるでしょう。自分の手掛けた修正が法律として残っていくというのはそれなりに感慨深いものがあります。

(連載1)内閣委員会質問(医療ビッグデータ法)  ツリー表示
投稿者:緒方 林太郎 (福岡県・男性・衆議院議員(民進党)・40-49歳)  [投稿履歴]
投稿日時:2017-04-21 15:40  
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 内閣官房作成の「医療分野の研究開発に資するための匿名加⼯医療情報に関する法律案」の審議が行われました。私も質疑に立ちましたが、質疑よりもむしろここに至るまでの方が長かったので少し経緯も含めて説明します。法案は通称「医療ビッグデータ法案」と呼ばれています。概要は、医療機関等が保有する医療情報を、認定された事業者が匿名加工し、その集合体であるビッグデータを医療研究の用に供するといったものです。基本は2年前に成立した改正個人情報保護法と同様で、同法において、個人情報を加工して誰のものか分からなくする匿名加工情報というカテゴリーが作られた事を医療分野で更に発展させるというものです。

 基本的には、我が方も賛成でして、こういうビッグデータを活用する事で色々な医療分野での研究開発が進む事を望むものです。そういった中、党内の会議で概ね以下のような問題提起がありました。我が党に対して色々な意見をお持ちの方がおられると思いますが、本当に党内の会議では良い意見がたくさん出て勉強になりました。特に参議院の先生方の知見には舌を巻きました。

 例えば、学校保健安全法(学校における健康診断)、高齢者の医療の確保に関する法律(特定健診)、労働安全衛生法(事業者検診)、妊婦検診及び乳幼児健診(母子保健法)といった法律で行われる健診で得られた情報がどうなるのか。事実上義務的に受けるものもあり、そのデータが自分達の知らない所で使われているのであれば懸念は大きい。その観点から、オプトアウト(自分の医療情報は使われないようにするための申し出)の規定はとても重要。また、オプトアウトは簡便にしないと、高齢者に複雑な手続きを求めても形骸化するだけ。次に、法案内では、個人に対する不当な差別等に繋がらないようにするための規定は盛り込まれているが、ビッグデータとなった結果として地方自治体、事業所その他の各種団体に対する不当な差別が生じる事があり得る(例:○○市は●●の疾患が多いらしい、という評判)。そこへの配慮はどうなっているのか。最後に、医療機関等→認定事業者(匿名加工をする事業者)→利活用者と情報が渡っていく中で、情報の扱い、対価の金銭面等でおかしな事が起こらないようにすべき。また、利活用者が目的外使用をすることのないようにすべき。

 党内で本法の責任者である北神圭朗議員の命を受け、内閣委野党筆頭理事である私がこれらの問題意識を法律に盛り込むための修正協議に臨みました。与党の平井卓也筆頭理事、福田峰之理事(法案担当)とかなりの回数、議論を重ねました。最終的に纏まった修正案(要綱、案文、新旧対照表)、そして附帯決議はこれだけ読んでもなかなか分かりにくいのですが、上記の問題意識は完全に取り込まれています。今回の修正や附帯決議にあるような問題意識は、政府側にも勿論あったのですが、法文上明確でなかったのです。その点を明確にさせ、かつ質疑で更なる明確化をする方向性を作りました。この手の修正協議で満額回答というのはあまり例がありません。自民党の平井筆頭理事、福田理事や内閣官房、衆議院法制局、衆議院委員部、色々な人にお世話になりながら修正協議を無事終える事が出来ました。(つづく)

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