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2026-04-22 00:00
(連載1)ユダヤ人差別をした番組を続けるテレビ朝日の良識
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
今回は、報道番組「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)内でのコメンテーター・玉川徹氏による米・トランプ大統領の娘の夫・ジャレッド・クシュナー氏をめぐる発言について、このような番組を公共の電波で流しているテレビ朝日の「良識」と、このような人物を社内でいて出世させていた朝日新聞の「良識」をとうということでその内容を見てみましょう。「トランプ家の代表として入っているとしか見えないし、ましてやユダヤ人ですよね?このイランとの協議に関しては、むしろいないほうがいい人のような気がするんですけど、娘婿という立場として入ってくるこの人って何なんだろうってずっと思ってるんですけど」3月10日に、同番組アメリカによるイランとの停戦交渉の報道をしたとき、その報道に関して、コメンテーターの玉川徹氏が発した発言です。
まず、当該発言が「ユダヤ人差別」に該当するかという点についてですが、国際的な基準として広く採用されている「ホロコースト記憶国際同盟(IHRA)」による「反ユダヤ主義の作業定義」に照らすと、非常にセンシティブな問題を含んでいます。この定義では、ユダヤ人個人や集団に対して「ユダヤ人である」という理由だけで特定の属性を決めつけたり、不当な偏見(ステレオタイプ)を向けたりすることを差別とみなしています。玉川氏の発言は、クシュナー氏の出自(ユダヤ人であること)を理由に「交渉の場にいないほうがいい」と公言したものであり、これは個人の能力や役職ではなく「民族的・宗教的アイデンティティ」を根拠に排除を促す論理です。国際社会、特に欧米諸国においては、このような発言は個人の属性に基づいた排除(Excluded because of who they are)と受け取られ、明白なヘイトスピーチ、あるいは反ユダヤ主義的言説と判断される可能性が極めて高いといえます。
このような発言が公共の電波で放置され、あるいは適切な事後処理がなされない場合、日本という国およびテレビ朝日は、国際社会から「人権意識の欠如した、差別に対して極めて寛容な(無頓着な)社会・組織」であると厳しく刻印されることになります。まずテレビ朝日単体の評価についてですが、国際的なメディア監視団体や人権団体からは、放送倫理の欠如したメディアとしてブラックリストに近い扱いを受けるリスクがあります。現代の国際基準では、民族や宗教を理由に排除を唆す言動は「意見」ではなく「ヘイト」として定義されます。これを生放送で制止できず、その後に国際基準に照らした厳格な処分(解雇や無期限の出演停止、外部調査の受け入れなど)を行わない場合、そのメディアは「差別をビジネスのエンターテインメントとして消費している」とみなされ、グローバル企業からの広告撤退や、国際的な報道機関としての提携解消などの実害を招く恐れがあります。
日本という国全体の評価に関しては、さらに深刻な影響が懸念されます。国連の人権理事会やG7諸国などのパートナーからは、日本国内における人種差別撤廃に向けた法整備の遅れや、放送制度の脆弱さを指摘される根拠となります。特にユダヤ人に対するステレオタイプな発言は、欧米諸国において最も敏感な歴史的禁忌に触れるものであり、日本政府が「人権を重視する価値観を共有するパートナー」と主張しても、国内の主要メディアでこうした発言が公然と行われ、社会的に容認されている現状があれば、その主張の信憑性は大きく損なわれます。日本は「同質性の高い社会ゆえに他者の痛みに疎く、国際的な人権基準から取り残されたガラパゴス的な倫理観を持つ国」という、極めてネガティブなレッテルを貼られることになります。(つづく)
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