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2008-03-08 00:00
(連載)世論調査からみた台湾総統選挙(1)
岡田充
ジャーナリスト
3月22日の台湾総統選まで2週間あまりに迫った。政権奪回を目指す野党国民党の馬英九・蕭万長コンビが先行し、与党民主進歩党(民進党)の謝長廷・蘇貞昌コンビが追い上げる構図に変わりはなく、その差はあまり縮まっていない。台湾メディアは1996年の初の総統直接選挙以来、選挙の度に頻繁に世論調査を発表してきた。ただ台湾メディアは日本以上に党派色が強いため、調査の信頼性・公平性に疑問符が付けられることが多い。本当に信頼性に欠けるのかどうか、まず2000年と04年の過去2回の総統選挙時のケーブルテレビTVBS世論調査と実際の投票結果を比較する。そして今回の選挙では40日前からの選挙情勢の変化と世論調査データから、選挙を予測することが可能かどうかを検討する。
「あなたねえ、台湾の世論調査は信用できないんですよ。信用してはだめよ」。1999年12月の台湾総統府で李登輝総統は、3カ月後に控えた総統選について、後継者の連戦氏の支持率が「世論調査で20%台と低迷しているが」との筆者の質問に、語気を強めて答えた。実際の選挙結果をみると、連戦候補の得票率は22%と、ほぼ世論調査通りの結果が出たのである。政権交代から8年たった今も、民進党など与党陣営は、選挙のたびに「聯合報や中国時報は国民党系。調査結果は信用できない」、「TVBSは中国資本が入っているためバイアスがかかっている」と批判的にみている。
国民党の独裁時代が長かった台湾では、世論調査の歴史は浅い。確かに与党側が指摘するように、聯合報やTVBSなどの調査では、国民党に有利な結果が出る傾向がある。有権者は世論調査に慣れていないため、「民進党支持」と答えにくい環境が、特に地方にはある。ちょうど日本の世論調査で共産、公明両党の支持率が、生の数字には表れにくいのと似ている。
ケーブルテレビ、TVBSが行った過去2回の総統選の調査結果と実際の投票結果を比較する。2000年総統選挙では投票11日前の調査で、民進党支持は26%だったが、実際の結果は39%と13%の差があった。この時点では「態度未定」が23%いたこと、また調査発表後、李遠哲・中央研究院院長や有力財界人が「緑(民進党)支持」を鮮明にしたなどの変数が、投票結果に影響を与えたことなどを考慮に入れても、緑には「辛過ぎる」数字が出たことは否定できない。
一方、陳水扁政権2期目の04年選挙はどうだろうか。投票30日前の世論調査で、与党の支持率は34%に対し、野党は44%だった。投票日前日、陳水扁が遊説中の台南で銃撃される事件が起きる。その直後の調査は与党38%、野党39%とほぼ並び、翌20日の投票結果は僅差逆転だった。この結果をみるかぎり、04年選挙では比較的実勢を反映した調査結果だったと言える。(つづく)
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