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2008-03-10 00:00
(連載)世論調査からみた台湾総統選挙(2)
岡田充
ジャーナリスト
では、今回2008年総統選挙の世論調査の結果を見てみよう。TVBSは、民進党が謝長廷・蘇貞昌コンビを決定した07年8月以来、計8回の調査を発表している。過去の調査結果を概観すると、馬英九の支持率は49~56%と、50%台前半で比較的安定。一方の謝長廷は26%~32%で、馬に比べ多少波がある。1月末、馬英九が米国留学中にグリーンカード(永住権)をとっていた事実が暴露されたことや、謝長廷が1979年の美麗島事件で被告の弁護をした後、約10年にわたり情報機関である調査局に情報を提供していたなどのスキャンダルは、いずれも支持率に大きな変化を与えていない。醜聞の泥仕合に有権者は飽きているのかもしれない。2008年1月30~31日実施の調査から興味深い結果が幾つか出た。
第1は、04年選挙で緑(民進党)に投票した有権者のうち、「今回も緑に投票する」と回答したのは62%だったのに対し、「藍(国民党)に乗り換える」との答えが30%に達したことである。一方、藍に入れた有権者の88%は「今回も国民党に投票する」と回答している。さらに、「無党派層」の謝支持率は21%にすぎず、謝は民進党支持者層も十分固めきっていない。一方の馬は「無党派層」の51%、国民党支持層の90%以上を固めている。
第2は、青年層の与党離れである。今回初めて選挙権を手にした20~23歳の有権者の65%が馬支持で、謝支持は27%にすぎない。04年選挙では投票1カ月前調査で、同年齢層の藍支持率は48%に対し、緑40%とほぼ横並びだった。これが銃撃直後には36%対53%と逆転してしまう。青年の「正義感」と「同情」が数字に反映されたのではないか。
このことから言えることは、(1)今回初めて選挙権を持つ青年層は、民進党政権の汚職など腐敗に敏感に反応し、政権離れが進行していること、(2)97年から中学・高校に導入された台湾史の教科書「認識台湾」の影響力は限定的であること、などである。さらに指摘したいのは、総統選挙と同時に行われる「台湾名での国連加盟」の是非を問う住民投票について、「同時実施」支持は35%。「別の機会に」が40%とほぼ2分された。(つづく)
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