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2008-09-17 00:00
リーマン・ブラザーズの破綻
木下博生
全国中小企業情報促進センター参与
9月15日と16日の世界の証券市場は、米国のリーマン・ブラザーズ証券の破綻を受けて、軒並みに大幅な下落を記録した。昨年夏ごろからの米国の低所得者層向けサブプライム・ローンの焦げ付きに端を発した住宅金融問題のきしみが、ついに来るところまで来たという感じである。サブプライム問題が起ったときには、ローンを証券化して実体以上に格付けを高くし、その証券を米・欧をはじめ世界の金融機関に売っていたことが良くなかったと言われた。その頃は、ローンの不払いが増えているのは低所得者層向けが主なので、その他の住宅ローンにはあまり影響が出ないだろうとの見方が強かった。
ところが、これをきっかけとする米国の景気減速とともに、全体の住宅価格の低落が顕著となり、金融市場を揺るがすこととなった。米国では、ついの住み処としない場合でも、住宅は、借りずに購入する場合が多い。他に移る時には、また売却するのである。少しづつでも住宅価格が上がり続ければ、ローンの返済に問題はないが、今回のように大幅に下がると、ある程度の所得がある人でも借金を返せなくなる。これは、1980、90年代の日本と全く同じである。不動産価格が上がるからと言って、借金をして住宅などの不動産を購入することを銀行が勧めた。その結果がバブルの崩壊と山一證券や多くの銀行の破綻となった。当時、米国の金融当局は、日本の金融行政に対して、極めて批判的な態度を取った。
ところが米国は、批判するだけで、日本の失敗から学ぶことをしなかったのであろうか。政府系住宅金融機関のファニーメイやフレディーマックも深刻な問題を抱えている。住宅ローンが本来抱えているリスクを十分に考慮しないで、その証券化に走った証券会社のベア・スターンズ、リーマン・ブラザーズ、メリル・リンチは、証券を売って被害を広げただけではなく、自らも大量に保有して躓いた。不幸中の幸いか、日本の金融機関は、バブル時の失敗が頭に残っていたため、米・欧の金融機関に比べると、比較的に傷が浅い。だが、安心はできない。金融、証券市場の混乱が、世界の実体経済の悪化にさらに拍車をかけるおそれがあるからである。
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