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2008-11-24 00:00
(連載)オバマ新大統領下の米中関係(2)
関山 健
東京財団研究員
一方で、米中関係正常後のアメリカは、少なからぬ政治経済上の利益を中国と共有するようになったため、これら各大統領も、就任後しばらくすると、大衆迎合的な対中強硬政策を続けることが難しい現実に直面する。その結果、秋田浩之氏が著書『暗流』で指摘しているとおり、アメリカの歴代大統領は就任後おおむね2年以内には対中政策を軟化させてきた。
その例を挙げると、(1)人権外交を掲げて1977年1月に就任したカーター(民)は、1978年12月に米中国交正常化を発表、(2)親台湾派として1981年1月に就任したレーガン(共)は、1982年8月に3つ目の米中共同声明を発表、(3)中国の人権問題を非難して1993年1月に就任したクリントン(民)は、1994年5月に人権問題と通商問題の切り離しを決定、(4)中国を「戦略的競争国」とライバル視して2001年1月に就任したブッシュ(共)は、2002年10月に江沢民をテキサス州の私邸に招待、という具合である。
逆にいえば、現職大統領は、現実のしがらみのために大衆受けのよい対中強硬策を維持しにくいだけに、新たな大統領(候補)にとっては、前任者の政策を批判し、その違いをアピールするための材料として、強硬な対中政策が便利なのである。
現在アメリカの経済が不調であることから考えれば、来年1月に就任するオバマ次期大統領も、差し当たっては国内政治上の配慮から、廉価な工業製品を大量に輸出して、大幅な対米貿易黒字を計上している中国に対して、批判の矛先を向ける可能性は否定できない。実際、オバマ氏は、不公正な取引慣行を取る国に対して是正の働きかけを強め、通商代表部を強化する方針を公約にしており、大統領選挙期間中に全米繊維団体協議会からの質問に回答した書簡のなかで、「中国は、輸出よりも内需依存の経済成長に向けて、為替を含め政策を変更しなければならない。だからこそ私は、中国に変化を促すため、あらゆる外交手段を行使する」との主張を展開している。(つづく)
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