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2009-01-27 00:00
(連載)オバマ演説に日本を思う(1)
岩國 哲人
衆議院議員
「チェンジ」を高らかに訴え、大統領となったオバマ氏。世界中の人びとがそれに共鳴し、期待している。しかし、「改革」とか「政権交代」という日本の政治用語がそうであるように、「チェンジ」はあくまでも手段であって、目的ではない。1月20日の就任演説では「チェンジ」の目的を米国民に示したと言える。それは、第一にすべての人間の「自由」の尊重であり、第二に人種差別を含むあらゆる差別の廃止、すなわち国家、宗教、人種、民族、出自、貧富の違いを乗りこえて、共通の人間性を確立してこそ得られる、真の「民主主義」の達成である。
「自由」の尊重は、オバマの就任演説の表題に、「人民の、人民による、人民のための政治」という言葉で有名なリンカーンのゲティスバーグ演説から採った「A NEW BIRTH OF FREEDOM」が使われていることでも明らかであるし、演説の中で「自由」という言葉が最も頻度多く7回も登場していることにも裏付けられている。「CHANGE」と「CHANCE」は一字違い、いわば隣り合わせの言葉である。チェンジの中にチャンスをつかむ、それは自由な機会があればこそ可能なことである。ドイツのメルケル首相が就任演説の感想を「あふれるチャンスを見る思いだ」と語っているのが印象的だった。
具体的な政策としては、雇用、環境、新産業の育成、エネルギー政策がとりあげられているが、予備選の段階で論点となっていた医療保険充実などの社会保障や安全保障に殆んど触れられていないのはなぜだろうか。世界的な金融と経済の大混乱の中で安心、安全の喪失が大きな影を落し、個人消費の縮小や設備投資の減額を招いている時だからこそ、社会保障から逃げているとも言える就任演説に失望した現実派の株式市場が、332ドルの大幅な下げを見せ、就任演説の熱狂に冷水を浴びせている事実を見逃してはならない。(つづく)
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