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2009-06-03 18:33

(連載)対北制裁決議と米・中への対応(1)

藤田 幸久  参議院議員(民主党)
 北朝鮮の核実験をめぐり、国連安全保障理事会の決議内容を巡る外交交渉が活発化しています。私は、5月26日の参議院外交防衛委委員会で、中曽根外務大臣に対して、4月上旬のミサイル発射の際にもにも提案したように、外務副大臣を国連に派遣するよう提案しました。翌27日に伊藤副大臣がニューヨークに出発しました。これまで日本は、国連重視と言いながら、外務官僚任せでしたが、各国は特使や議員などをニューヨークや関係国に派遣するといった具体的な動きをしているからです。この新決議の成否を握るのは、アメリカと中国です。しかし、最近は国際政治の中でG2とさえ呼ばれるこの2カ国の動きが覚束ない状況にあります。

 アメリカは、国務省の国務次官補が未指名のため、アジア政策の実務責任者が不在です。ボズワース特別代表(北朝鮮政策担当)は、ニューヨークの大学の学部長のため、ワシントンに常駐できないのです。アフガニスタンやイランの対応に気を取られている間に、北朝鮮が核実験を挙行し、虚を突かれた感じです。韓国は数日前から北の核実験の兆候を認識して米国側に伝えていましたが、米国から日本に対する通報が遅れ、その遅れを繕う麻生総理と中曽根大臣の答弁が食い違うなどのドタバタまで演じてしまいました。

 国連安保理事会の5常任理事国に日・韓を加えた7か国はあ5月26日、国連外で非公式の大使級会合を開き、北朝鮮に対する新たな安保理決議採択に向けた交渉を始めました。ここで米国が提示した草案は、項目的には2006年の安保理決議1718を強化・拡大するものです。しかし、その後、「武力行使も伴う臨検」という項目が入っていることが判明しました。「安保理は、加盟国に対し、北朝鮮に出入りする全ての船舶に対し、公海上での乗船も含む臨検に必要なあらゆる手段(武力行使)を行使して、決議1718の第8項及び本決議で禁止された品目を強制収容、又は投棄することを認める」という内容です。

 この強硬措置は、米国にとって、北朝鮮の最大の脅威は、北の日・韓に対する攻撃よりも、シリアやイランなどに対する核物資の転用と捉えているという背景があるからです。日本は、5月28日以降、米国案に乗って「日米共同提案」という形を取っていますので、日本政府は、この決議が通ったら、実行に重い責任を負うという極めて強い覚悟が必要です。また日本はこの臨検を行うには周辺事態法の認定などの国内法の整備も必要です。(つづく)
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