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2009-11-06 11:03

日本航空をなぜ特別扱いするのか?

入山 映  サイバー大学客員教授・(財)国際開発センター研究顧問
 日本航空をなぜそんなに特別扱いするのか、理由が解らない。潰したら多くの失業者が出る、ということかもしれないが、運行路線・頻度のうち過半は他の航空会社が引き受けるだろう。水ぶくれしている人員の分は失業するだろうが、それはやむを得まい。国鉄民営化に際しても解雇者は発生している。政府補償といい、テコ入れという。よそ様並に扱えば良いだけの話で、特別に配慮する必要がどこにあるのか。

 特別関心を寄せる理由は、日本航空がフラッグ・キャリアだからだという。冗談ではない。全日空だって世界主要都市には飛んでいる。名前にこだわるのなら、優良部分だけを全日空に吸収し、名前だけはJALにしておけばよいことだ。今日の惨状を招いた理由の一端(というより主因と言いたいところだが、定量的に論証できないので穏やかな言い方にとどめる)は、愚劣な運輸行政と、それにつるむ利権政治家にあることは明白だ。が、日本航空経営陣が「赤字地方路線はお引き受けしかねる」と公然と意思表示をした話は聞かない。その意味では、労務管理の不手際とともに、歴代経営陣にも咎なしとはしない。しかし、いまや死児の齢を数えているときでもあるまい。

 なまじ会社が存続するから年金問題が発生する。潰してしまえばOB・OG諸氏には申し訳ないが、諦めもつこうというものではないか。事業仕分けではないが、現在運行中のどの部分ならばどの会社が引き受けるか、を早急に判断することだ。真っ黒な路線だけは承継してもよろしい、という一種の焼け太りを防ぐ意味では、赤黒の抱き合わせで、何割かの黒字を保証するというやり方だってあるだろう。罪の意識がよほどおありなのだろうとは思うが、糞土の牆は塗るべからずという故事を待つまでもなく、これまでの失敗した延命策乃至は一時金の注入の愚を繰り返してはなるまい。折角集めた有識者をの意見を、自民党時代の人選だった故か、どうか知らないがほとんど活用していないのも気にかかる。

 先にも書いたように、国の膨大な事業仕分けをたった7人でやらせる、という愚かしさといい、政策ブレーンの貧相さといい、官僚離れの不徹底といい、よほど民主党は民間のガクシキケイケンシャの登用源が限られていらっしゃるようだ。強腕幹事長の意向さえ承っていればよい、というものではあるまいに。
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