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2009-12-24 22:16

問題なのは、むしろ自民党だ!

入山 映  サイバー大学客員教授・(財)国際開発センター研究顧問
 鳩山さんの支持率も、オバマ同様50%を割り込んだようだ。こちらの方は指導力に対する疑念が理由だと言う。指導力を即断即決、真っ向う竹割りのような鮮やかなものだと観念すれば、まことに鳩山さんほど、周りをじりじりさせるスタイルはなく、指導力不足、いや欠如と言われても仕方あるまい。

 他方、鳩山さんを、例の「ほととぎす、鳴くまで待とう」の家康に見立てれば、これはこれで一つの指導者のタイプかもしれない。意識してのことかどうかは詳らかにしないが、決断の結果表明を、遅らせても良いぎりぎりまで常に保留するというのは、天晴れ大伎倆ではある。とはいいながら、軽減税率と子供手当に限って言えば、こんな当たり前のことを、なんで今までじらしたんだ、と言いたくもなる。でもまあ、悪いことばかりではない。まわりに小沢とか、亀井とか、訳の解らないのがあれほどいては、じっくり丹念に四方の情勢を見渡し、出るべきガスが全て出尽くすのを待つ、というのは立派な作戦であることを喪わないからだ。ただし、沖縄普天間が、このノリで行けるかどうか、これは大きなテストケースだろう。

 問題なのはむしろ自民党の方だ。骨っぽいことを言っているのは、目下のところ石破政調会長位のもので、党首の御発言と挙措動作に至っては、旧国対政治時代のメンタリティから一歩もお出になっていない。今の自民党が敵失を待っていてどうする。仮にそんなものに乗じて復権しても(余りありそうにもないシナリオだが)、そんなものは腐りきった自民党の再現に過ぎない、という河野太郎氏の発言は、もっともだ。事業仕分け第一陣は彼であり、その時自民党幹部は、はなからこの手法をバカにしていただけでなく、この有用性を見抜いた河野氏に、万が一にも実績を上げさせたくなくて、主要官庁は絶対に持たせず、文科省等の予算額の少ない役所しか担当させなかったのは、有名な話だ。(そのくせ国交省だ、厚労省だでは、ほんのお茶濁しに終わっている。それでも河野は1割強のムダを指摘した。今回の事業仕分けが1%というのは、切り込み不足だ)。

 そのセンスの悪さをいまだに引きずっているのみならず、役人の振り付け時代が骨身に沁みて、人の知恵の真似っこみたいな習性が依然として主流だ、というのはどうしたことだろう。じれったいような手法を愛用せざるを得ない鳩山さんというのは、格好の攻撃対象の筈なのに、やれ献金問題だ、小沢支配だ、といったネタしか思い当たらないらしい。いうまでもないことだが、健全な民主政治には、しっかりした野党の存在が必須だ。それがなかったから自民党が半世紀も続いてしまった。同じあやまちを自民党も犯すか、それとも、心ある自民党員ほどのものならば、どうせ現在の民主党も、自民党も、世を忍ぶ仮の姿だと、次の政党再編の図柄でも描いているのだろうか。だと、いいのだが。
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