国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「議論百出」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2010-06-26 03:14

(連載)アメリカ国民の環境保護意識はまだ低い(1)

島 M. ゆうこ  エッセイスト
 世論調査の結果は、時には国民性を反映する事があるが、現在、メキシコ湾の原油漏れ大惨事を経験しているアメリカ国民に対するクリーン. エネルギーに関する最近の世論調査は、まさに国民性を物語っている。ここで紹介する世論調査を行った組織は、6月18日に発表した『Rasmussen Reports』と6月24日に発表した『The Pew Research Center for the People & the Press』の2つである。前者は、保守系で、データーが正確であることで知られ、後者は、ワシントンD.Cに拠点を置くシンクタンク. グループであり、保守にもリベラルにも偏らない非営利団体として信憑性が高い。

 『Rasmussen Reports』によると、73%の成人は「近い将来アメリカは石油、ガス、石炭などによる化石燃料に依存している現状を変える必要がある」と信じているようだ。この73%のうち、42%は「特にその必要性を強調する」としている。また、41%が「化石燃料の使用をやめ、クリーン. エネルギー政策を奨励すべきである」とする一方、36%は「その考えに同意しない」とし、23%は「不明である」としている。調査の対象となった回答者の43%は、メキシコ湾で続いている原油漏れの大惨事が、少なくとも将来「アメリカ政府のエネルギー政策の変化につながる」と信じており、48%は「そのようなことはない」としている。

 今後の海底掘削の継続に関しては、メキシコ湾の事故があるにも関わらず、60%が「海底掘削は許可すべきである」と思っているようだ。また76%はアメリカのエネルギー資源に必要な手段として海底掘削は「ある程度重要である」とし、そのうち47%は「非常に重要だ」としている。

 性別による調査では、男性より女性の方がクリーン. エネルギーを支持していることが判明した。45%の女性が「化石燃料の依存を減らし、それに代わる新たなエネルギー政策を制定すべきである」と考えているのに対し、49%の男性が「その点に同意しない」としている。また、党派別の統計によると、50%の民主党支持者は、化石燃料の使用を止めさせる政府のエネルギー政策に賛成し、47%の共和党支持者は化石燃料の使用を止めることに反対するとしている。無党派有権者の意見は同等に分かれた。共和党支持者は、アメリカは今後5年間は「更に中東からの輸入原油に頼るようになる」と思っており、一方民主党及び無党派の成人は、アメリカは「中東からの原油の輸入を減少させる」と信じていることも明らかになった。(つづく)
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『議論百出』から他のe-論壇『百花斉放』または『百家争鳴』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
グローバル・フォーラム