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2011-08-09 09:22

(連載)日本人がすっかり忘れている日本人による無差別テロ(2)

酒井 信彦  日本ナショナリズム研究所長・元東京大学教授
 これは「爆弾によるテロ」であるが、ノルウェーのテロのもう一つの類型「銃撃によるテロ」の方も、日本の極左勢力はやっていた。ただし、これは日本国内ではなく、外国で行われたもので、時期も三菱重工より前である。それは1972年5月30日に起き、当時はイスラエルの首都であったテルアビブのロッド空港で、日本赤軍の3人が自動小銃を乱射して、26人を殺害した。今度のノルウェーの事件もそうだが、人を殺すためならば、爆弾より銃の乱射のほうが効率的なようである。その目的は、アラブ支援のためであった。犯人の中で唯一生き残った岡本公三は、その後囚われの身となったが、アラブでは英雄視された。

 戦後日本にも、それなりにテロの歴史はあるが、「右翼によるテロ」と「左翼によるテロ」とでは、顕著な相違があることが分かる。右翼の場合は、伝統的な一人一殺主義で、1960年の山口二矢による浅沼稲次郎暗殺が最も有名な例であろう。それに対して左翼は、無関係な一般人を巻き込む、ハイジャック事件や爆弾テロを平気で行ってきた。

 しかし、左翼によるおぞましいテロの歴史は、現在殆ど忘れられている。若い人々に聞いてみると「全然知らない」と異口同音にいう。それは、忘れているというより、積極的に忘れさせられているからである。つまりマスコミがこれら重大事件を全く回顧しないのである。

 では、何故回顧しないのか。マスコミが左翼勢力とグルだったからである。朝日新聞などは、大学紛争当時、極左学生の最大の応援団であったと言ってよい。それは、今でも大学紛争や成田紛争を「大学闘争」「成田闘争」と表現することからも分かる。つまり身内である極左学生や自分自身の悪行を隠し続けているのである。大学紛争で散々暴力を振るいまくった人間や、その暴力を容認していたマスコミが、武力否定の憲法九条を守れと主張したところで、何の説得力もあるわけがない。(おわり)
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