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2014-08-06 15:41

(連載1)STAP細胞で第二の犠牲者を出すな

中村  仁  元全国紙記者
STAP細胞をめぐる不正、捏造問題は、ついに女性研究員の直属の上司が自殺するという痛ましい展開になってしまいました。今回の悲劇を招いた責任はどこにあるのでしょうか。また、第二の犠牲者を絶対に出してはいけないでしょう。そういった観点から、この悲劇を考えるいくつかの視点や課題を、以下に提起してみたいと思います。

 わたしのブログで何度か、STAP問題を取り上げました。国際的な波紋を呼んだ不祥事に、日本を代表する研究機関がどうケリをつけていくのかに関心があったからです。最近の本e-論壇への投稿でも「残酷すぎる実験参加」と題して、STAP細胞が存在しないとされるようになったタイミングで、本人に再現実験に当たらせるのは、拷問みたいな扱いだ、とい書きました。本人は明らかに精神的不調に陥っており、夢遊病者のようで、精神科医などのケアが必要だと、思いました。

 女性研究員が信頼する直属の上司の自殺にどれほど衝撃を受けたかは容易に想像できます。理化研に出勤しても、実験に手がつかない状態だ、とメディアは伝えています。そうでしょうね。不正、捏造の直接的原因は本人にあるにせよ、問題の解決を引き延ばしているとしか思えない理科研が、本人を窮地に追い込んでいるのです。ただでさえ残酷な仕打ちを受けているうえに、上司の自殺で心のよりどころを失い、精神的不調はさらに深刻になるかもしれません。信じられないくらい遅れたタイミングで検証実験に踏み切ったときには、外部はすでに「STAP細胞は存在しない。無意味な実験だ」との評価でした。これでは拷問です。

  理化研は、だれかが女性研究員に付き添い、心身のケアをしっかり行わなければなりません。上司の笹井副センター長(52)は、最近、体調が悪く、研究者との議論も成り立たず、心配した理化研は究家族と連絡をとって、休養や治療の相談を始めていたそうです。そこまで把握していながら、竹市センター長は、会見で「いろんなことで非常に批判されていた。行き詰まっていた。かれにとって苦しい情勢だったことは明らかだ」と、語りました。ひとごとのような発言です。もっと親身になって心身をケアしていれば、最悪の事態は防げたかもしれません。ひどい上司です。これ以上、犠牲者をだしてはなりません。(つづく)
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