国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「議論百出」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2007-01-29 09:37

日中の指導者は欧州の指導者の理想に学べ

木下 博生  (代)日米平和・文化交流協会理事
 1月24日に開催された今回の「日中対話」は、「日中関係とエネルギー・環境問題」に関する「対話」で、大変有意義であったと思います。会議の場で、「東アジア共同体」あるいは「北東アジア共同体」と日中関係について議論がありました。過去の不幸な歴史や戦争を知らない世代が両国の支配層になってきたため却って対立的な国民感情が目覚めやすくなった事実、両国の経済状況の違い、などが共同体の成立を難しくしている現状ですが、本当はそういう困難な背景があるからこそ、共同体構想を進めるべきなのです。

 シューマン仏外相が1950年代初めに欧州鉄鋼共同体を、その後欧州経済共同体(EEC)を提唱し、実現させたのは、2度の世界戦争を戦ったフランス、ドイツが仲良くし、2国が中心となって共同体を作るべきだとの高い理想と政治意志があったからです。6ヶ国がメンバーだったEECは、50年を経て、いまや27ヶ国の欧州連合(EU)となりました。

 日中の政治リーダーには、これと同じような理想を持って、この構想を進めて欲しいと思います。過去百年の歴史を細かく追ってみるのではなく、千年、二千年にわたる両国の交流の歴史をじっくり振り返る時なのです。エネルギー、環境問題の議論について感想を述べますと、省エネルギー、環境問題について、中国側の出席者には、知識と問題意識はあっても、他国の経験を取り入れ、システマティックにそれを実行していきたいとの意欲があまり見られませんでした。自動車産業を、雇用と経済発展のために、他よりも優先して振興するのだ、という発言があったのには驚きました。
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『議論百出』から他のe-論壇『百花斉放』または『百家争鳴』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
グローバル・フォーラム