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2017-03-23 10:30

(連載1)キプロスから見た諸問題

緒方 林太郎  衆議院議員(民進党)
 私は外務委員会に所属しておりませんが、キプロスへの大使館設置が来年度予算に入っている事から、昨年、キプロスに行った者として感じた事を質疑にしたいと思い、外務委員会理事にお願いして質疑に立ちました。

 あの国は小さな国でギリシャ文化がベースですが、中東とも関係が近く、イスラエルは海を跨いですぐです。また、エジプトとの近さも感じました。そして、ロシアとの関係の近さは日本からは見えませんが実感しました。年間、イギリスから100万人、ロシアから50万人の人が来るそうです。そして、とても重要なのが中東有事の際の発進基地となっているという事です。キプロスには英国の領土(租借地ではない)があり、そこには英空軍が基地を持っています。中東で有事がある時、欧米諸国が使える基地としてはインド洋のディエゴ・ガルシア、トルコのインジルリック、そしてこのキプロスがあります。イラク空爆、シリア空爆の際、実際に使われています。であれば、下記にも書く通り、PKOが出ている事と併せて考えれば防衛駐在官を置いてみてはどうかなと示唆しました。そういう場所で英空軍関係者と関係を作っておくと、色々な情報収集が出来そうな気がしたのです。

 その後、PKOについて質問しています。キプロスPKOを見ましたが、とても平和な環境で停戦ラインの監視をしています。我々が南スーダンPKOをイメージしますが、キプロスPKOは全く異なります。行った時は違和感を持ったのですが、もう一度考え直してみると「そもそも、今、南スーダンPKOみたいなものが例外的であり、本来、PKOとはこういうものなのかもしれないな」と思うようになりました。私は南スーダンPKOも踏まえると、「PKOでやるべき事、そうでない事」を分けるべきだと思います。後で書きますけど、国連の事務局もそういう思いを持っているはずです。

 そういう問をしたところ、答弁で「伝統的紛争への対応から、国内の『衝突』への対応まで国連のマンデートは多岐化している。マンデートを現実的かつ具体的なものにしていきたい」という話が返ってきました。この日はそういう議論をするつもりはなかったのですが、少しだけ「紛争」、「衝突」の違いに入りました。役所からは「armed conflictについては、一般的な概念として武力紛争と捉えることもあるし、『PKO上との関係で』武力紛争と捉えない事もある」と答弁が返ってきました。現実に法を合わせようとしている姿勢が見えて来ました。正直な所、外形的に見て「何が武力紛争なのか、何が武力衝突なのか」を分ける基準はないと思います。(つづく)
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