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2019-03-20 14:40

韓国と台湾に於ける日本統治に対する両国の反応ついて

真田 幸光 大学教員
 韓国の文政権が、意図的に日本を挑発、「日本は戦後責任を果たしていない野蛮な国」と言ったネガティヴキャンペーンを展開、また韓国の首都・ソウル市では、市議会議員が、日本時代を否定する法案を提出したり、日本統治時代の建物を壊したり、日本に対する執拗な攻撃が続いており、如何に温厚な日本の方々の中にも、韓国に対する怒りの言葉が出てきているように思います。

 こうした中、同じく、日本統治時代を経験した台湾では、日本によって建立された寺や付近の建築群を復元し、活性化させた「西本願寺広場」(台北市)で先日、台北の文化や歴史をテーマにした展示である、「時光開箱-館蔵文物展」が開催されました。清朝時代から日本統治時代にかけて、台湾人によって残された絵画やさまざまな文物を通じて、当時の人々の生活を伝える企画でありました。例えば、絵画を紹介するエリアでは、画家の蔡九五氏が日本統治時代に手掛けた「躍鯉図」が展示され、この作品には、中国本土の伝統的なスタイルに日本の近代絵画の手法が取り入れられており、歴史を一旦は受け止めた上で、文字通り、「未来志向」で今後を考えていくような姿勢を示してくれます。

 台湾ではまた、日本統治時代に建てられた「臨済護国禅寺」のお守りや、台湾で最初の百貨店として1932年に開業した「菊元百貨店」の包装などを見ることができ、日本政府による台湾統治40周年を記念して1935年に開催された、「台湾博覧会」に関する文物も紹介されているのであります。また、西本願寺広場は「浄土真宗本願寺派台湾別院」として1912年に建てられたものですが、老朽化や戦後の火事により一度は廃虚と化したものを、台北市政府が復元工事を実施し、2012年、歴史を感じられる観光スポットに生まれ変わってもいるのであります。

 韓国と台湾の、この全く正反対の様子、その背景には、様々な要因があるかと思いますが、私は、「当時の大日本帝国政府が、韓国では、名前を取り上げ、言葉を取り上げたことに代表されるように、朝鮮民族のアイデンティティーをズタズタにしてしまい、恨みを買った。」ことが、一つの大きな要因ではないかと見ています。アジアの中での日本の立ち位置は難しいですが、日本もひとつひとつ丁寧にアジアの国々に残るわだかまりを解消していかないといけないようです。
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