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2019-04-02 11:35

(連載1)トランプ大統領のロシア疑惑調査とモリカケ問題

岡本 裕明 海外事業経営者
 トランプ氏にとって大統領就任以来、目の上のたん瘤のような問題だったのが、大統領選の際の「ロシア疑惑」でありました。お忘れになった方も多いかもしれませんが、本件は「ロシアが先の米大統領選においてトランプ陣営にテコ入れし、クリントン候補を引きずり落とすための工作をした」とされる疑惑で、それにトランプ大統領が関与していたのか、がその焦点でありました。

 先日、モラー特別検察官が指揮を執ったその長い調査が終了し、報告書が完成。その報告書を受け取ったバー司法長官は、それを4ページ程度にまとめた簡易版を作成し、各方面に配布しました。結論から言うと、トランプ大統領の関与は見つからなかった、となっています。

 大統領は発表前日の土曜日、よほど心配だったのか、フロリダにある自社のゴルフ場でプレーをしながら距離感を保っていたとされますが、その心理は判決を待つ気持ちだったのでしょう。ツィッターもあまり発せず、ある意味、殊勝な感じすらしたのであります。これは、ホワイトハウスといえども情報が一切入ってこない状態であったため、大統領としてもあがきようがない、ということでもありました。

 さて、私は民主党が今後どう吠えるのか、こちらの方が楽しみであります。すでに民主党のペロシ下院議長が「バー司法長官の書簡には多くの疑問がある。同氏は中立的な立場におらず、客観的な結論を下す立場にいない」とこき下ろし、とにかく報告書の全文公開を要求。バー氏の議会証言を通じて、どこかに調査の疑惑がないか、ほじくり出そうと懸命になっています。というのは今回、この疑惑が「黒」か、「黒に近い灰色」であれば、民主党は一気呵成に大統領弾劾を進めるチャンスでもあったわけで、思ったより全然「白」であった今回の報告に腹を立てている、というふうに見えます。そして、それは約1年後に迫る次の大統領選に向け、民主党の力を見せつけるためにも、今後この話題を引っ張る可能性が残されています。(つづく)
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