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2007-07-17 09:35

連載投稿(2)留学生の日本理解増進と卒業後の人材活用

田島高志  東洋英和女学院大学大学院客員教授
 また、日本にいる留学生は日本に関心を持って来日しているのであるから、そのような芽を十分育てる支援策を講ずべきである。彼らの日本文化理解を深めるために、講演会や展覧会に案内したり、京都奈良見学や地方旅行を世話したり、日本人との交流を深めるために日本人学生や若者との交流の場を設ける、日本人の生活や風俗習慣を理解させるためにホームステイを手配したり、祭りの行事に案内したりする。このような木目細かな配慮や支援策がなければ、留学中に日本が本当に好きになり、日本の理解者となり、引き続き日本に滞在し日本で働こう、あるいは日本にまた来よう、知人友人に日本への留学を勧めよう、という気持ちはなかなか生まれないであろう。

 日本への留学生には、学術研究上の成果だけではなく、国費、私費を問わず、やはり日本を好きになり、日本の理解者(注:「理解」には、当然日本を評価し尊敬する面と建設的に批判する面の両方を含む)にもなることを期待したい。それを実現するためには、わが国には今述べたような施策が欧米に比し遅れていることを認識し、上記課題に取り組むべきと思われるのである。

 なお、上記第3の課題について、わが国では、これまで留学生の留学終了後の帰国を当然視して来た面があったが、いまや国内で少子高齢化が進み、他方優秀な外国人留学生の存在も注目される情況にあるため、上記「戦略会議」では、優秀な留学生を日本で有能な人材として活用する道を広げるべきであるとの議論が行なわれている由である。この点については、上記第2の課題の改善が進めば、より多くの優秀な学生が留学後日本に残り働くことを希望するようになると思うので、併行して滞在査証の種類や審査基準の再検討などを進めることを提言したい。(おわり)
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