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2021-02-03 22:54

(連載1)概説・新型インフルエンザ等対策特別措置法等改正案

緒方 林太郎 元衆議院議員
 新型インフルエンザ等対策特別措置法と感染症法の改正案を含む関連法が3日、参院本会議で賛成多数で可決、成立しました。断片的に思った事を書いておきます(読み方が間違っているかもしれませんので、その点は予めお断りしておきます。)。
 
 まず、「緊急事態措置ライト」にあたる「まん延防止等重点措置」なるものが設けられます。簡単に言うと、「緊急事態宣言は強過ぎるので、その前でも休業要請・命令が出来るようにしたい」という事です。とは言っても、これまで緊急事態措置の時ですら存在しなかった「(休業の)命令」まで出来るようになっています。一方、国会報告等は一切なく、改正法におけるこの規定の位置からしても「緊急事態措置ではない(程度のもの)」との位置付けは明確です。憲法論としては「その程度のもので命令を含む人権制限をしてもいいのか」という論点はあるでしょう。法改正の話があった時、私は「緊急事態措置ライト」を作るのではなく、今の緊急事態措置にプラスして(命令まで出来る)強い措置を可能とする「緊急事態措置プラス」を作ると思っていました。でないと、憲法論との関係で整理が付きにくいからです。
 
 多分、現在「(政府が宣言する緊急事態措置ではない)独自の緊急事態宣言」を出している県については、「緊急事態措置ではなく、こっちでやって」という事になるのだと思います。実際、まん延防止等重点措置であろうと、緊急事態措置であろうと、休業については「立入検査」、「報告徴収」、「命令」が出来ます。しかも、従わない場合に過料が課せられます。
 
 これは行政罰としての「過料」ですので、警察マターではありません(私が一番に連想したのは、地元福岡の黒崎駅前に設定されている喫煙禁止地域で喫煙した時の「1000円の過料」です)。という事は、都道府県職員が違反の店舗に対して「立入検査・報告徴収します。拒否したら過料です」、「命令違反です。過料を収めてください」と言いに行くという事でしょう。ただ、各都道府県当局はそんな事するかな?と思うのです。そもそも、休業命令に従わない店舗は根性の入っている店舗ですから、担当職員には結構勇気と力の要る作業になります。抑止としては効果があると思いますが、実効性については「どの知事が先頭切ってやるのだろうか?」という疑問が頭をもたげます。(つづく)
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