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2022-07-16 08:33

世界平和フォーラムとG20外相会談について

真田 幸光 大学教員
 北京で開催された国際シンポジウム・「世界平和フォーラム」では、米英仏やロシアの駐中国大使が一堂に会する会合があった。ロシアによるウクライナ侵攻への批判を展開した米英仏の大使に対して、ロシアの大使が反論し、当然に、激しい非難の応酬となった。
 
 シンポジウムの主催国である中国本土はその立ち位置を明確にはしていないが、米英仏の側には立っていない。こうした様子を見ていると、ロシアに続いて、中国本土をも米英仏がNATOやQAUDで執拗に追い込み過ぎると、本来、中露連携の可能性は低いと見られているものが、中露が連携の方向に動くことをむしろ後押ししてしまう可能性もあろう。国際社会、特に米英仏の中露に対する動きを日本としても慎重に分析していく必要がある。
 
 インドネシアのバリで開催されたG20外相会談では、ウクライナ情勢を巡っては予想通り、参加国間の立ち位置に違いがあり、分裂の様相が浮き彫りとなった。会談終了後、米国のブリンケン国務長官とロシアのラブロフ外相も出席したこの会議で何らかの動きが出るのではないかとの期待もあったが、結局は大きな進展はなくウクライナ紛争によって引き起こされた世界的な食糧危機やエネルギーコストの高騰についての結論も見られず、日本や米国、ヨーロッパ諸国からの代表団は、ロシアの旧ソビエト国家となるウクライナへの侵攻を非難して終了するに留まっている。少なくとも表面的には残念な会議となった。
 
 尚、米国のブリンケン国務長官と中国本土の王毅国務委員兼外相は、このG20外相会談に合わせて会談したが、ロシアのウクライナ侵攻や台湾問題を巡り、意見の対立も見られた模様である。また、王毅外相はロシアのラブロフ外相ともコンタクトしたが際立った動きは示さなかった点も付記しておきたい。中国本土の巧みな外交姿勢である。
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