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2025-06-26 19:11

(連載1)ロボットと人間の共生はどこまで?

岡本 裕明 海外事業経営者
 AIの時代、技術を否定することは時代の変化を受け入れられないおじさん扱いをされるので気をつけなくてはいけないのですが、フィナンシャルタイムズに興味深い記事が出ていたのでまずはここから考えてみましょう。記事の題目は「ロボットが労働者心理に悪影響、作業単純化で『とんでもなく退屈に』」というものです。
 
 長い記事なのでかいつまんで言うとアメリカのアマゾンのロボット倉庫で働くあるスタッフは1日最大12時間、同じ場所に立ったままフロアを猛スピードで動き回る数十体のロボットが運んでくる容器から商品を取り出す仕事をするのだが、忙しい時には持ち場の前に20体のロボットがこのスタッフが商品を取り出すのを待つために行列をなす、というのです。それゆえにとても退屈な仕事なのにストレスフルでこの倉庫から配置転換をしてもらい、通常の配送センターで仲間と雑談をかわしながら仕事している今にほっとしているというものです。この例は我々が望んでいたロボット化=生産性が高く、文句も言わず、定期昇給も求められず、遅刻早退もない夢のような生産性効率向上策は実はまだまだ実験段階であることを意味しています。
 
 先日、ある会食があり、そこでふとしたことで話題に及んだのが日本の出生率低下で、ある方が「そのうち、リアルの人間の出生数とロボットの出生数(新規稼働数)が同時に発表されたりするのでしょうかねぇ?」と冗談交じりで述べていました。数日たって思い起こすとこの話とは案外、的を射ている話かもしれないと思い始めたのです。現状、ロボットは概ねある特定の目的の作業をすることに特化していますが、そのうちに複数の作業(マルチタスク)を担い、更に進化すればお手伝いさん替わりになる時代がくるかもしれません。20年後の主婦の会話は「あら、山田さん、オタクまだ犬を飼っていらっしゃるの?宅はロボットを飼ってますのよ、ホホホ」。街に二足歩行のロボットが普通に歩いていてコンビニで牛乳を買って帰るというシーンが当たり前になる日はまだ私たちが生きているうちに起こりうるかもしれません。
 
 では人間はどこで働くのでしょうか?飲食店の厨房ではロボットが働き、フライパン物の調理をし、自動的に皿に盛られます。新しいローソンの実験店では唐揚げが自動的に作られ、コンビニの品出しも全部自動です。その仕組みは昔のパチンコ屋と同じで食品棚の後ろでロボットが働く仕組み。。「おーい、商品出ないぞ!」と陳列棚を叩くおじさんは現れるのでしょうか?(つづく)
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