国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「議論百出」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2025-11-17 05:11

三本の矢について

真田 幸光 大学教員
 日本では高市政権が出帆しました。安倍元首相の流れを引く高市首相は安倍政権の政策をかなり踏襲するのではないかとの見方もあり、その一つには、安倍元首相が掲げていた、三本の矢」の政策もあるようです。そして、既に、「低金利政策による金融緩和による景気拡大策」が取られると共に、「財政出動を伴う景気拡大政策」も取られるであろうとの予測の下、「株高」が見られると共に、日本の低金利による日米金利拡大の継続によるキャリートレードの継続も見られ、円安」も続くとの国際金融市場の読みと共に、「日本では株高・円安状態が続く。」との期待感も含めた現象が見られています。

 株高は景気拡大には特に大きな問題はありませんでしょうが、これは、元手の資金を持つ者と持たざる者の貧富の格差を拡大する原因にもなりかねません。また、円安は米ドル債権を持つ輸出型企業などには好業績に繋がる可能性があり、メリットは高いと言われます。しかし一方で、円安、特に今般の円安は、円が米ドルやユーロに対してだけでなくタイバーツなどのその他通貨に対しても円安となる全面安となっていることから、「輸入インフレ」が顕在化、こうした円安に伴う物価高に、私たち一般国民は苦しむことになっていますし、価格転嫁しきれぬサポーティング・インダストリーズにとっては、コスト高に苦しんでいます。

 こうしたことから考えると、やはり、「金融の矢」と、「財政の矢」と共に、「成長戦略の矢」
をしっかりと展開していく必要があります。これに対して、米国のトランプ大統領は、「先ずは低金利政策に転換、金融の矢を放ちながら、ディマンド・ブルインフレを起こす。」と共に、「財政支出をきちんと取捨選択しながら、ターゲットを定めて財政出動を伴う景気対策を打つ。」とし、更に、「製造業から米国を強くする。」というしっかりとした目標を掲げつつ、「日本や韓国、台湾などから資金と技術を米国に投資させることを約束させ、米国人、米国企業以外からのサポートも受けられるようにしている。

 その一方で、米国には悪影響を与える危険性のある外資には対米投資を認めず、或いはTikTokのように外資を排除する動きも示しつつ、米国をモノづくり大国に転換していく戦略も展開している。」という姿を見ていると、日本の高市政権にも、トランプ政権と同様に、「効果の期待出来る三本の矢戦略を今回こそ展開して戴きたい。」と私は考えています。
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『議論百出』から他のe-論壇『百花斉放』または『百家争鳴』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
グローバル・フォーラム