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2025-11-20 06:19

(連載1)どうなる、日本のお米

岡本 裕明 海外事業経営者
 一時、テレビニュースでは「今週のコメ価格は先週に比べ〇円値上がりし、〇週連続の価格上昇でした」と耳にタコが出来るほど報じていました。最近、その報は少し減った気がしますが、実は違う現象が起きているようです。価格上昇が続くブランド米、そして倉庫には売れない新米が山になっている、と。今年の新米が高かった理由は農家からの買取価格がそもそも高かったことが上げられます。買取価格設定の時期がまさに日本コメ騒動の真っただ中の頃だったため、JAをはじめ、流通業者が高値提示をし、数量を確保したのがそもそもの原因ではなかったかとされます。

 その後、アメリカなどから輸入米が日本に流通し始め、飲食店から個人宅までコメの選択肢が増えました。その中で個人的にはカリフォルニア産カルローズは受けが良かったと思います。先日もテレビニュースである飲食店がライスを大盤振る舞いしているのに対し、店主が「うちは価格が妥当なカリフォルニア米なのでライスを沢山提供して、皆さんに喜んでもらっています」と述べていました。コメ全体の価格推移を見ると小泉氏が農水大臣の時は5キロ当たり4200-4300円で推移していた価格が3500円程度まで下がります。下がった理由は備蓄米の放出で古米とのブレンド米だと3000円程度まで下がり、小泉氏が目指していた価格まで到達した感がありました。またその頃から関税を払ってでもアメリカやタイ、韓国からのコメの輸入をした方が得、ということもあり、市場には様々な選択肢が生まれした。多分、日本のコメ市場に於いてこのようなバラエティ感が出たのは初めてではないかという気がします。が、今再び4000円台に逆戻りということのようです。

 そこで消費者は何を選択したか、と言えば海外産米やブレンド米を選ぶことで新米に手が伸びなくなったとされます。5キロ当たりの値段で800円ぐらいの差が出ると例えば育ち盛りのお子様がいる家庭ではとってもじゃないけれど高いコメは無理という経済的理由が先行すると思いますが、それと同時に一部では「古米も悪くない、外国産も悪くない」という評価が出ていることはあると思います。

 個人的には何を食べるか次第でコメの味をどこまで引き出すのか違ってくると思います。丼物やカレーライスと言った場合はブレンド米や海外米でも差異は出にくい一方、刺身とか焼き魚といった味が淡泊なものはコメの味が重視されやすくなるでしょう。ところが若い世代はどうしても揚げ物や味が濃いものを好むので新米でなくても対応できてしまうことはあると思います。(つづく)


 
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