国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「議論百出」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2007-11-27 01:01

ピークオイル対策として期間限定の炭素税を導入せよ

小倉 正  アルバイト
 日本政府が国際交渉を前向きに引っ張れるとすればその根拠は、やはり国内の政治的な空気が前向きで政策導入の実績があがっている場合に限られます。石油価格高騰の折から、環境省がここ数年進めてきた新規の炭素税の導入は、少なくとも自民党政権の下では不可能でしょう。従って早急に国際標準の「キャップ&トレード型」の排出枠市場を日本国内でも作る方向に動くべきだと思います。他国の制度と接続できるものでなければ効果は薄いでしょう。

 もし近くピークオイル・パニックが炸裂するようなことになれば、産業界は大規模な生産停止をすることになり、その結果京都議定書の目標は達成(もちろんその場合は過剰達成)されるでしょうが、それは望ましい結末ではありません。しかし、もし予防的なピークオイル対策を取ることについて、政治的意思決定をできるのであれば、対策はあります。

 現在の石油価格高騰がピークオイル時代の途中の現象なのであれば、いずれ不可避な石油価格高騰の予測として1バーレル200ドルといった価格が想定されます。そういった高い価格を数年間の間先取りする形での、価格変動吸収のための期間限定(ポストピーク時代が来るまで)の炭素税を導入して、集めた資金を大幅な省エネ・代替エネ補助金に回すという手はどうでしょう。なぜなら、ポストピーク時代に海外のOPECやら石油メジャー、ロシアに吸い上げられるお金は、海外へ出て行ったまま戻ってこないのに対して、炭素税なら国内に還流させて社会の変革に使うことができるからです。

 石油高騰がこれからずっと続くと認識できるのなら、早目に炭素税として取ることによって、産業界が石油価格の一層の高騰に慣れるよう変革を促すこともできますし、また特にピーク時代の特徴となる石油価格の大幅な短期変動をこの税で吸収し、短期的に石油価格を(高値ですが)安定化させられることは重要な政治の役割です。

 さて、国内政治の側でピークオイル対策を取ると意思決定をできれば、次に来るのは国際的にどうするかという議論です。これについては石油減耗議定書提案を京都議定書への補完的な議定書として採用することを提案したいと思います。もちろんいろいろな詳細についての議論は必要でしょうが、英国の前環境相マイケル・ミーチャーが言っているように、すでにある国際交渉の枠組みでピークオイル時代と石油減耗議定書を語る必要があるでしょう。

 ピークオイルについての入門編としては、「もう一つの不都合な真実-ピークオイルの紹介」-(pdf版)The Oil Drumよりhttp://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/files/Another_Inconvenient_Truth_Windows.pdf
をご覧ください。ブログ『ん! -ピークオイル時代を語ろう-』http://ピークオイル.jpへもお出でください。
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『議論百出』から他のe-論壇『百花斉放』または『百家争鳴』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
グローバル・フォーラム