国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「議論百出」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2008-02-22 10:25

アセアン諸国大使と日光市民の交流

河合正男  白鴎大学客員教授・元大使
 先日、ASEAN(以下アセアン)諸国の大使が日光市を訪問した。その際、市民主催の昼食講演会が開催され、大好評であった。私が最初の大使を務めたブルネイの駐日大使より、私に「駐日アセアン諸国大使会議を日光市で開きたいと考えているが、その際に日光市長への表敬と市長主催による昼食会の開催の可能性を打診してくれないか」との連絡があった。私は現在、日光在住である。市長に内々打診したところ、「当日表敬は受けられるが、昼の時間は先約があって、昼食会は主催できない」とのことであった。しかし、近隣の10カ国もの大使がこぞって日光を訪問するというのに、交流の機会を失うのは、地域のためにももったいないと、急遽「東南アジア諸国大使歓迎市民委員会」を立ち上げ、昼食講演会を市民レベルで開催することにした。一か月足らずの準備期間ではあったが、たちまちにして市民委員会への賛同者が得られ、画期的な10カ国大使講演会を開くことが出来た。この講演会は日光市のみならず、栃木県全体においても大きな関心が持たれた。

 この昼食会は会場の都合もあり、当初100名程の出席者を予定していたが、平日開催にも拘わらずどんどん出席希望者が膨れ上がり、当日は200名を超える出席者があった。この模様は、新聞、ラジオ、地元テレビの他、NHKテレビでも報道された。地方都市においても、東南アジア諸国との交流にこのように大きな関心が持たれることは、私にとっても嬉しい驚きであった。これからの日本にとって、東南アジアとの交流が大変大事だとの認識は確かにある。ところが、これらの国々についての知識となると、まだまだ乏しいということも改めて実感させられた。

 先ず、アセアン10カ国の国名を挙げられる人は少ない。各国の位置についての知識もかなりあやふやだ。昼食のテーブルでは各国大使の前に国旗を置いたが、それだけでは殆どの人にとって国名が分からないということも分かった。東アジアでも中国や韓国の国旗は分かるが、東南アジア諸国の国旗は欧米諸国の国旗よりも不確かである。東アジア地域協力の議論はしていても、これが国民の知識の現状である。日光市民の知識が特におくれている訳ではない。東アジア諸国との交流を拡大し、地域協力を進めるためにも、これら諸国についての市民レベルの知識をもっともっと豊かにしていく必要がある。このような交流が全国各地で広まることを願っている。
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『議論百出』から他のe-論壇『百花斉放』または『百家争鳴』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
グローバル・フォーラム