国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「議論百出」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2008-05-28 08:35

最近のニュースあれこれについての所感

杉浦正章  政治評論家
◎お笑いタレントを起用する場面ではない
 後期高齢者医療制度の広報で自民党が元衆院議員・浜田幸一をテレビCMに起用した。「自民党はおじいちゃん、おばあちゃんを大事にする政党なんだろ。だから制度をつくったんだろ。困ったことは、直せばいい。頼むよ自民党」と呼びかける。広報局長・野田聖子は「おしかりを真摯(しんし)に受け止める自民党を印象づけたい」と述べているが、印象は逆だ。このコマーシャルを見て高齢者は怒る。大手広告業者の売り込みを採用したのだろうが、これでは“ぼけ老人”を対象にしているとしか思えない。第一「困ったこと」とは何だ。意味不明だ。自民党は、高齢者の知性をいまやお笑いタレントのハマコー並みと見ているのか。

◎NHK職員は株屋か
 休憩時間を含む勤務時間中に株取引をしていた職員が、NHKの内部調査で判明した3人を大きく上回る81人にのぼった。最も多く取引を繰り返した者は 5137回。単純計算で1日平均7回以上の取引をしていたことになる。第三者委員会委員長・久保利英明は「プロ意識があまりに低い」と述べたが、これはプロ意識以前の問題だ。出勤してまずPCで株に目を通し、売り買いし、それで一日が暮れるという毎日だろう。血税と同じ一般国民からの視聴料での勤務を無視しての株取引である。「職員である前に株屋のプロであった」と言うべき場面だ。恐らく調査漏れの“取引人”も多いだろう。NHKのIT機器は株屋のそれと違わないほどの能力があるに違いない。

◎どうしてこう閣僚はピントを外すのか
 ガソリン価格の170円台が確実になっていることについて、経済財政担当相・大田弘子は「中小企業の収益への影響が一段と進むことや家計へのダメージを懸念している」と述べたが、物価担当相としてあまりに無味乾燥の発言だ。懸念しているからどうするという意思表示がない。「懸念している」などは誰でも言えるし、聞きたくもない。経済産業相・甘利明も「今の価格は異常な高騰。産油国の危機意識が足りない」などと、まるで他人ごとだ。すれっからしの産油国が危機意識など持つわけがない。この内閣の閣僚は、首相以下物事には“客観描写”で徹している。価格上昇問題の核心は、石油投機筋の暴走を世界的な枠組みの中でどう食い止めるかだ。「サミットの主要テーマとする」と発言しなければならない。

◎西岡のスケールの小ささよ
 昔からスケールの小ささが目立つ参院議運委員長・西岡武夫だが、また国会同意人事でごねている。それも読売が報じた日銀政策委員会審議委員などという“ゴミ人事”でである。この問題の本質は、言論の自由を参院が抑制するかしないかにつきる。抑制すればいつか来た道となって、議会制民主主義そのものにもはね返ることに気がつかない。相変わらず大局がつかめない男だ。読売の社説「同意人事の可否の基準は、人物の識見と能力だ」が正しく、すがすがしい。

◎小沢もやっぱりなりたい
 民主党代表・小沢一郎代表が、次期衆院選で同党が単独過半数を獲得した場合に「私が代表の間であれば、私自身が責任を負わなければならない」と首相就任に意欲を示した。本音が出た感じだ。民主党代表選挙は9月で、おそらく総選挙の前。だから代表に選出されなければ、首相にはなれない。「代表に選出されたい」では生々しすぎるから、「首相になりたい」とぼかしたのだ。
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『議論百出』から他のe-論壇『百花斉放』または『百家争鳴』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
グローバル・フォーラム