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2008-06-17 08:02

政界再編をシミュレーションすれば

杉浦正章  政治評論家
 衆院選挙前後の政界再編不可避の見方が強まっている。永田町の夜の会合では、「自民党がどうなる」と連動して、再編話が焦点になる今日このごろだ。自民党前副総裁・山崎拓も16日「大連立以外の政界再編は必ず起こる」と予言した。しかし選挙をしてみなければ再編の方向を断言することはできない。選挙後の政権のパターン、再編の可能性をシミュレーションしてみた。ただし、このケース・スタディは自民党内で「ポスト福田」問題が過熱化せず、首相・福田康夫の手で解散・総選挙に突入した場合が前提である。総論としては、総選挙で自公が3分の2の多数を維持することは、まずあり得ない。

【民主党政権】
★民主党単独過半数=元首相・小泉純一郎が述べている「自民党は150議席減る」というパターンならあり得る。17日の朝日新聞による世論調査でも、比例区での投票政党は民主党36%、自民党23%で逆転している。福田康夫は首相を辞任、小沢一郎が政権の座に就く。衆参ねじれ現象は解消する。1993年の衆院選挙後野に下った自民党からは離党者が続出したが、この場合も同様だろう。
★民主・社民・国民新党で過半数=民主党は第一党となったものの過半数に足りず、他の野党の力を借りて連立政権を組む。やはり第一党党首の小沢が首相に就任するだろう。
★民主・社民・国民新党プラス分裂自民党=自民党が分裂して野党連合に合流する場合だ。分裂する数にもよるが、恐らく民主党首班による政権となるだろう。小沢が党首となるかどうかは微妙だ。自民党には小沢嫌いが多い。

【自公政権】
★自民党単独過半数=後期高齢者医療制度を維持したままの過半数は難しい。過半数を維持できれば、福田の大手柄という状況だ。福田は、自ら辞めない限り政権を維持できるだろう。公明党との連立も継続されよう。民主党も、“ねじれ”による国会の閉塞状況を打破するために、当面話し合い協調路線をとらざるを得まい。
★自公過半数=自民党が単独過半数を維持できず、公明党との連立でやっと政権を維持できる状態。政界は流動性を増し、野党の攻勢でねじれ国会は現在以上に複雑な運営を迫られよう。再度の解散総選挙を経なければ、落ち着きを取り戻さないかもしれない。
★自公プラス分裂民主=水面下で小泉や中川秀直らが民主党副代表・前原誠司らと接触しているような動きが選挙を境に急浮上した場合である。「小沢にだけは政権を取らせたくない」という空気が民主党の分裂をもたらすケースだ。その場合首班に誰がなるかが鍵だが、「小泉再登板」ならすんなりといく可能性がある。本人は逃げるかもしれないが。

【自民・民主大連立】
★総選挙で食うか食われるかの戦いをした後で大連立というケースは、よほどの国難でもない限りあり得ないだろう。自民と民主がくっつくケースは、どちらかが分裂して、中連立か、小連立になる場合だろう。
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