国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「議論百出」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2008-11-13 07:59

新銀行東京の“口利きの闇”を徹底究明せよ

杉浦 正章  政治評論家
 ずさんな経営で逮捕者まで出した新銀行東京で、かねてからささやかれていた政治家による“口利きの構図”が、一段と鮮明になった。これをさらに追及すれば、新銀行東京はまさに政治家の食い物にされ、「口利き→政治資金でキックバック」というあっせん収賄罪の流れが容易に推測される。まさに東京地検・金融庁の出番ではないか。都知事・石原慎太郎が金融機能強化法改正案との絡みで、国会に参考人招致されることも固まったが、この際国会で徹底的に“口利き銀行”の実態を暴き、刑事事件の可能性も含めて追求すべきである。

 ごうごうたる世論の反対を押し切って、都議会与党である自民・公明両党が400億の追加出資を決めたのがこの春。その粉じんもおさまらないうちに、都知事の長男で自民党幹事長代理の石原伸晃が、金融強化法案の対象には新銀行東京も含まれるという方向を明らかにした。今度は国民の税金を使っての救済策ということになる。まさに「石原銀行」救済のために、次から次に都民や国民の血税を注入するという言語道断の対応だ。

 かねてから東京新聞などが社説で“口利きの構図”を指摘していたが、民主党は12日新銀行東京に関する融資仲介リストを発表した。同党の調査によれば、都議・元都議が539件、都庁・新銀行東京関係者61件、国会議員・元国会議員21件、区議9件、政党5件、その他7件などとなっている。これによると、口利きは政治家が圧倒的に多いことになる。そこから推測される構図は、(1)政治家が地元の選挙区からの陳情を受けて、銀行に融資を口利きする、(2)ただでさえ貸し付けノルマ達成を求められている職員は、喜んでこれに応ずる、(3)都民の血税1000億がピラニアのように食いちぎられ、あっという間になくなって、破たん寸前に陥る、(4)石原は責任問題化を恐れて、春400億の追加融資を強行する、(5)それでも破たん状態は解消せず、今度は親子で金融強化法案適用を目指している、という形だ。

 要するに「石原銀行」は、体のいい政治家の票集め、資金集めの温床となった、ということになるのではなかろうか。参院議員で民主党金融対策チーム座長の大塚耕平は「仲介の結果、不正やキックバックがあれば犯罪だ」と述べているが、もっともだ。新銀行東京は石原再選への布石で打ち出されたものだが、「文士の商法」の尻ぬぐいを国民の税金を使って重ねるべきだろうか。明らかに石原が責任をとって店を閉じる時期に来ている。しかし背後に“犯罪”が存在するなら、徹底究明は避けて通るべきではない。それが月末にも予想される「石原参考人招致」で始まることになる。
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『議論百出』から他のe-論壇『百花斉放』または『百家争鳴』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
グローバル・フォーラム