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2009-03-31 07:54

確かに民主党は「このままでは沈む」

杉浦正章  政治評論家
 千葉県知事選の民主党惨敗を受けて、「このまま沈むつもりか」と朝日新聞が3月31日付の社説で問いかけ、「民主党の議員たちの対応があまりに鈍い」、「政権交代の実現も遠のきかねない」と嘆いている。毎日も「早く不振をぬぐい去れ」、産経は「小沢体制刷新への契機」と、全国紙が一致して代表・小沢一郎の辞任を求めている。一方、自民党は「チャンス到来」とばかりに選挙準備に拍車をかけ始めた。政局は明暗を逆転させた。

 「続投」決定時に「驚くべき誤判断」と書いたが、目下民主党執行部は、その誤判断を継続中である。まず知事選結果を受けた幹事長・鳩山由紀夫の発言は、辞任どころか、「次の衆院選で小沢体制のもとで十分支持を高めていくことはできる」と、衆院選挙も小沢でやると開き直った。3月30日夜小沢は、鳩山や代表代行・菅直人らに党内で辞任要求が高まりを見せないことについて、「一時期と比べて民主党も変わってきたなぁ」とほくそ笑んだ。国対委員長代理・安住淳は、同日のテレビ番組で「小沢さんは碁で言う長考に入った」と、“逆風どこ吹く風”ぶりを強調する。副代表・石井一にいたっては、「続投反対は一握り」とうそぶいている。

 全く民主党執行部は度し難い。緊急手術が必要な患者を前にして、医師が長考に入っては、“手遅れ”になることは間違いない。世論調査でもはっきりその傾向が出ているのに、この対応である。知事選挙惨敗の重要ポイントは、浮動票が民主党候補を嫌ったことにある。毎日新聞の出口調査によると、支持政党なしの無党派層のうち45%が、森田健作に投票したと回答し、民主党などが推薦した候補に投票したと答えた人は24%にとどまった。これまで地方選挙に圧勝してきた民主党は、無党派層の50~60%を獲得してきており、この構図が崩れた。しかし、小沢ら執行部の心中には、民主党中心の政権を望む声が、自民党中心のそれよりもまだ高いことを、楽観視しているふしがみられる。

 しかし、決定的に判断が間違っているのは、民主党中心の政権とは「小沢代表でない政権」への期待値なのである。調査の設問を変えて「小沢首相の下での民主党政権」の是非を聞いてみたらよい。ダミーを使った偽装献金の疑いがかかって起訴された筆頭秘書が裁判中の首相を、是とする国民はゼロに近いだろう。日時の経過と正比例して“手遅れ度”が増すことに、執行部は気づいていて、知らないそぶりをしている。
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