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2009-04-13 09:49

「ばらまき」の前に「無駄使い」をなくせよ

入山 映  サイバー大学客員教授・(財)国際開発センター研究顧問
 「不況脱出」、「景気刺激」を合い言葉に、財政出動花盛りである。民主党も「それでも足りぬ」とばかり、「農業に」、「こどもに」と八方美人を競う。プライマリー・バランスの回復どころか、赤字国債も、それゆけどんどん。とまあ、不謹慎な言い方かもしれないが、現状のムードはそんなところだろう。どの途、最長でも後半年しかない政権だから、腰を落としてじっくり、というのは望む訳にもゆくまいが、無駄なお金の始末の方は、その気になればいくらでもやりようはある筈なのに、さっぱりの観がある。

 せめて、塩川さんの言った「離れで食べているスキヤキ」の実態くらいは、なぜ明らかに出来ないのだろうか。20や30の特別会計の収支、あるいは繰越金の実態を示すなんていうのは、1時間もあればできる仕事だろうに。民主党が予算執行を巡って「いくつかの視点からムダを追求する」といっているのに期待をかけよう。再度書いているように、官僚の得意中の得意は不作為、つまり何もしないで放置しておくことだ。情報はその最たるもので、別に隠匿しておく意図はなくても、要求がない限り秘匿される。仮に要求されたにしても、必要最小限の開示にとどまるというのは、これまでにもいやというほど実例がある。

 試みに財務省の「特別会計のはなし」というホームページ(http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/tokkai1804.htm)を開いてみられると良い。最後の円グラフが一番知りたいところなのだが、あれを見ただけで解る人は、相当な財政通、換言すればこんなホームページなど読まなくても解っている人だろう。予算制度は使いきりを前提とするし、予算執行に当たって節約をするインセンティブは全く存在しない。それは制度それ自体の本質で、良いとか悪いの話ではない。だからこそ透明性、もっとはっきりいえば監視の目は常に求められる。

 政・官・財のトライアングルがことを明るみに出すことに消極的であるというのは、長期的利益を考えれば本当は得策ではないのだが、起こりがちな現象だろう。司法・検察が介入するレベルの話は論外として、野党の責任は重いというべきだろう。清潔感の問題とか、政治倫理の問題とは次元の違ったところで、国民・納税者の「知る権利」を代弁してくれる有力なプレイヤーは、野党だからである。もちろんそれが政権与党であっていけない理由は何もないのだが。
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