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2009-10-19 20:00
政権交代のルールが必要だ
木下 博生
全国中小企業情報促進センター参与
鳩山内閣が成立して1ヶ月が経過した。衆議院選挙によって、自民党の麻生政権の継続に「No」がつきつけられたということで、鳩山総理は、前政権時代の政策を見直そうとしている。例えば、今年度補正予算の一部執行停止とか沖縄の普天間基地移転に関する日米合意の見直しなどである。
補正予算は、衆議院で自民、公明両党が多数を占めていた前国会で成立した。その予算を新しい議員構成の国会で再補正するというのなら分る。だが、国会もまだ召集されておらず、議員の間で議論もされないまま、各省大臣が勝手に一部の執行を停止してよいものだろうか。いくら新政権の政策に合わないからといって、国会で決議することが必要な国家予算を修正してよいのか。たとえ憲法解釈上問題ないにしても、疑問を感じる。
今後も、選挙による政権交代が行われる可能性が高まった中で、交代のルールというものを皆で考えておく必要がある。新政権が新しい政策を打ち出して実行しようとするなら、それが国会承認事項であれば、新たに国会に法律や予算を提出すればよいであろう。しかし、立法府、行政府を含めた日本政府全体の政策の継続性を維持することは、とくにグローバル化の時代においては、極めて重要である。今までの政府がやってきたことを全部やめるということは、そう簡単にはできない。
普天間飛行場をどこに移転するかは、まさにその問題を問いかけている。本件は、永年にわたり日米両政府間で話し合われてきた。名護市周辺に移転しようという方向が両者間で合意され、滑走路をどこに造るかが二転、三転したあと、現行案で一応の合意ができていた。沖縄県側との調整だけが残されていたが、これを、またゼロから考え直すというのは、ちょっと理解できない。条約ではないにしても、すでに日米両政府間で合意がなされていたものである。
極東地域の安全保障を考えるにあたって、沖縄の地政学的重要性は極めて高い。米海兵隊が基地を持ち続けることの意味はそこにある。国外とか、県外に移転することで済むようなことではない。これこそ、今まで日米間で話し合ってきた延長線上に沿って解決すべき問題であり、「政策の継続性」こそが最も大事なのである。
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