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2024-06-14 21:24
戦争も地震もエネルギー資源の争奪戦?
倉西 雅子
政治学者
大航海時代とは、全世界が通商網で繋がると共に、‘新大陸の発見’、並びに、アジア・アフリカ地域に植民地支配が広がった時代でもありました。平和的な交易を越えて、軍事力を背景とした支配が行なわれた理由の一つに、これらの地域において埋蔵されていた莫大な資源の獲得があったことは疑いようもありません。大航海時代の先陣を切り、太陽の没するところのない世界帝国を築いたスペインは、中南米を植民地化することでポトシ銀山等から莫大な銀を得ています(もっとも、大量の銀の流入によりインフレを招く結果に・・・)。資源の獲得への飽くなき欲望が、人類の歴史を大きく動かしているとも言えましょう。そしてそれは、その地で平穏に暮らしてきた現地の人々の存在を無視し、最悪の場合には、利用し得る安価な労働力として奴隷の身分に貶めもしたのです。
大航海時代は、スペイン、ポルトガル、そしてそれに続く西欧諸国の多くにとりましては栄光の時代なのですが、非西欧諸国にとりましては、他国の支配下に置かれた苦い過去の記憶です。もっとも、今日では、‘新大陸’を含めて植民地化された諸国は独立を果たしており、領域及び排他的経済水域(EEZ)におけるあらゆる資源に対しては、各国の主権が及んでいます。公海や南極等を除くおよそ地球上の凡そ全ての資源が、それが埋蔵する国家が所有しており、一先ずは、国際法の下で国家の権利として保障されているのです。このため、如何なる国家も、表だっては、他国に対してその国の資源を要求しようとはしません。他者のものを欲しがることは、不道徳且つ法的な根拠のない行為ですし、実際に力尽くで奪おうとすれば犯罪となるからです。かくして、表面的には、他国の資源を奪うことを目的とした戦争は陰を潜めているのですが、その反面、資源奪取の舞台は、地下に潜ってしまった、あるいは、別の衣を着せられているとする見方もできます。何故ならば、領有権争いを含め、国家間で起きている紛争の真の原因は、他国の資源への欲望にある場合が少なくないからです。例えば、日本国が抱えている尖閣諸島問題も、中国が、同島周辺に埋蔵されている石油・天然ガス資源を欲したところにあります。国連による資源探索調査結果のレポートが公表された途端、中国は、同島の領有権を主張し始めたのですから。竹島問題の激化も、EEZを創設した国連海洋法条約の成立(1994年発効)並びに同島周辺海域にも埋蔵が推定さるメタンハイドレートの存在と無縁ではありません。国家間の紛争の根源を探りますと、‘資源’に行き着くことは稀ではないのです。
国際法が整備された時代には、資源奪取を目的に戦争を起こすことはできませんので、これを実行しようとすれば、別の口実を見つけるか、あるいは、誰の目にも触れないように隠れて行なう必要が生じます。この観点からしますと、ウクライナ戦争やイスラエル・ハマス戦争と言った今日の戦争も地震等の災害も、全てとは言わないまでも、相当に怪しいと言わざるを得ないのです。ウクライナについては、世界有数の穀物地帯であることに加え(農産物資源)、既にその豊富な天然ガス資源の埋蔵が紛争の背景として指摘されていました。先日、別件で有罪とされたハンター・バイデン氏を含むアメリカのバイデン・ファミリーも同国の天然ガス資源において利権を持つとされ、バイデン大統領が、ウクライナ支援に血眼になる理由としても説明されています。また、イスラエル・ハマス戦争にあっても、ガザ地区沖の海底には天然ガス田が眠っており、未採掘の状態であれ同ガス田には、沿岸国となるガザ地区を含むパレスチナ国の主権が及んでいます。国際社会から激しい批判を浴びながらも、イスラエルがガザ地区全域の併呑を諦めない理由は、真の目的がガス田の奪取にあるからとする説も、強ち間違いではないのかもしれません。
大事件の裏に隠された意図が疑われる事例は、戦争に限られたことでもありません。近い将来、‘確実’に発生するとされてきた南海トラフ巨大地震については、震源地域における天然ガスの埋蔵が指摘されたことにより、資源調査・採掘等に伴う自然災害に見せかけた人工地震である可能性が俄に高まっています。また、唐突に起きた能登半島地震、並びに、それに続く余震についても、今月6月3日に、韓国の尹錫悦大統領が、日本海に「大量の石油と天然ガスが埋蔵されている可能性が高い」と発表したことから、資源の調査・採掘が絡んでいる疑いがあります。もっとも、同天然ガス田は、能登半島からは離れた南東部・浦項沖にありますので、韓国との関係は薄いのでしょうが、日本海の海底には、メタンハイドレートの他にも未知の石油や天然ガス田が存在しているかもしれず、日本国政府、あるいは、他国や外部勢力が、密かに採掘に乗り出している可能性もなきにしもあらず、なのです。おそらく、戦争や地震のみならず、感染症によるパンデミックや大規模火災などでも、不自然さが指摘されているケースでは、その裏には、おそらく隠された目的があるのでしょう。また、資源のみならず、軍需産業や復興ビジネス、さらには世界権力が抱く人類支配への渇望などもあるのかもしれません。こうした指摘は、‘陰謀論’によって封じられがちですが、政府やメディア等の説明を鵜呑みにするのでは、いつまで経ちましても地球上から戦争も災害もなくならず、一部の人々の利益のために人類の大多数が‘吸い取られる’状況は変わらないことでしょう。戦争や災害等を未然に防ぎ、人類が不必要な災禍から逃れるためには、真の決定者とその目的の正確な把握という、この最初の一歩を踏み出すことが重要であると思うのです。
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