ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
2025-07-05 13:26
”Pax Japonica”の可能性 (その2)
和田 雄志
公益財団法人未来工学研究所理事(フェロー)
前回、Pax Japonicaを提唱したが、ここで、それに先立つ5つのPAXを振り返ってみたい。
(1)Pax Romana
いわずもがなのローマ帝国による地中海支配の時代、法と秩序が基調である。
(2)Pax Sinica(Ⅰ&Ⅱ)
中国による世界秩序、漢(Ⅰ)そして唐(Ⅱ)の時代。儒教的秩序と経済圏が特徴である。
(3)Pax Mongolia
モンゴル帝国によるユーラシア大陸の席巻。ベースは軍事と通商網。
(4)Pax Britanicca
大英帝国による植民地支配。軍事力と植民地支配がベースになっている。
(5)Pax Ameiricana
1945年以降の米国の覇権は、民主主義と市場経済をベースにしてきた。
機関投資家のレイ・ダリオ氏の著書「変わりゆく世界秩序」によると、これまで、衰退期にあった帝国の指標は「債務増加・国内分断・外部衝突」が特徴であると分析している。
となると、それは今のアメリカの姿そのものであろう。Pax Americanaは絶頂期を終えたということだ。ただし、国家としての米国だけに視野を限定すると、将来を見誤る可能性がある。すなわち、GAFAMをはじめとする米国発の巨大プラットフォーマ企業群の勢いはいまだ衰えるところを知らず、映画、音楽などをはじめとする非国家的セクターはまだまだ巨大なパワーを有していると言わざるを得ない。
そんな中、Pax Americanaの次は、中国、すなわちPax Sinica(Ⅲ)なのか。レイ・ダリオはそのように見ている。私はそうは考えない。世界最先端の超高齢社会&人口減少に直面する日本こそが世界のモデルになる可能性があると思っている。「課題先進国」が「課題解決先進国」にtransformするという逆転の発想である。すなわち「Pax Japonia時代」の到来である。その論拠は、次回に掲載したい。こうご期待!
>>>この投稿にコメントする
修正する
投稿履歴
一覧へ戻る
総論稿数:4886本
グローバル・フォーラム