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2025-07-29 11:59

金Goldについて

真田 幸光 大学教員
 第二次性大戦後、米国が取った金本位制が崩壊した後、今、全ての国の通貨には、「有形資産を担保とした通貨発行」とはなっておらず、「各国がそれぞれの国力」といった無形資産を担保として通貨を発行している状況にあります。しかし、そうした中、世界情勢が混乱、各国が示す、
「国力」にも疑念の目が向けられる中、「やはり有形資産こそが頼りになる資産である。」といった考え方が国際金融市場に広がり、世界各国の投資家は、その有形資産を、「金Gold」と捉え直す動きが見られています。

 もとより、世界の主要各国は、基軸通貨・米ドル、米国債と共に、「金Gold」を外貨準備高の中に組み入れていますし、反に対する信頼性は極めて高いのであります。そしてその金Goldの現物は、従来のスイスの金融機関の金庫に預けられていると同時に、第二次世界大戦後の金Goldの保管庫となったのは米国・連邦準備銀行であると考えられています。

 そして、米国の連邦準備制度理事会(FRB)は、今、約8,133トンの金準備を保有しているとしており、世界最大の金保有国であります。そして、この金Goldは主に、ケンタッキー州のフォートノックスと、ニューヨーク連邦準備銀行の地下金庫に保管されています。そして、日本の金保有量は約845トンで、世界で8位です。FRBが保管している国別の金保管量に関する具体的な数値は、一般には公開されていませんが、世界各国が多くの金GoldをFRB傘下のニューヨーク連邦準備銀行の地下金庫に保管されていることは間違いなく、その量は約7,000トンにも及ぶと見られています。

 ところが、こうした中、ドイツなどでは、実際に金Goldが保管されているのか疑問視する声も上がってきており、ドイツなどが自国の中央銀行の金保管庫を拡張して米国から金Goldの現物の取り寄せを行う姿勢も見せ始めています。米国に対する信頼低下の一つの表れとも言えます。世界の混乱の兆候を、こうした金の保管場所の変化からも探っていく必要があるかもしれません。
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