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2025-08-05 05:36
IMFの世界経済見通と中国
真田 裕明
大学教員
国際機関である国際通貨基金(IMF)は7月29日に発表した世界経済見通しで、今年と来年の世界経済成長率見通しは、4月からそれぞれ0.2ポイント、0.1ポイント上方修正した3.0%、3.1%としている。IMFは、米ドル安と一部主要国の財政支出拡大などにより金融環境が改善した為、成長率を上方修正したと説明している。
そして、米国の今年の経済成長率は4月から0.1ポイント引き上げた1.9%、来年は2.0%と予想した。中国本土は今年上半期の経済活動が予想より好調で、米国の対中関税が大幅に引き下げられたことから、0.8ポイント引き上げた4.8%と予想した。しかし、来年は4.2%に下がるとの見通しを示している。また我が国・日本の成長率見通しは今年が0.7%、来年が0.5%と4月時点ではともに0.6%であったものから微修正が加えられている。
IMFは、世界経済成長率見通しは4月に比べ改善したが、2024年の3.3%や新型コロナウイルス禍前の平均である3.7%に比べると依然として低水準だと指摘している。そして、世界経済に対する押し下げリスクがより高いとも警告している。 米国・トランプ政権は中国本土の経済拡大を阻止する一つの対策として、中国本土船が太平洋と大西洋を通過する際に利用するパナマ運河の経営権を取り返すべく、現在、運河の経営権を持つ香港のコングロマリットであるCKハチソンホールディングスから権利を購入する動きを強めていた。ところが、これに気が付いた中国本土政府は香港政府と共にハチソングループに圧力を掛けた。
こうした結果、パナマ運河などの港湾事業の売却交渉を米国などの企業連合と進めていた香港の長江和記実業(CKハチソンホールディングス)は7月28日、売却先の企業連合に中国本土の投資家を参加させる意向を表明している。「規制部門の許可を得る為である。」とこれを説明しており、売却に反対している中国本土政府から、了承を取り付ける狙いがあると見られている。トランプ政権は難色を示そう。
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