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2025-09-15 15:34
トランプ大統領の原潜派遣について
真田 幸光
大学教員
米国のトランプ大統領は原子力潜水艦の派遣命令を明らかにしたのは、ウクライナを侵略するロシアに核戦力を誇示し、圧力を背景に停戦に向けた譲歩を引き出す狙いもあると見られています。制裁発動の猶予期限である8月8日に向けて、駆け引きが活発化させ、8月15日の会議に漕ぎつけたとの見方も出ています。
トランプ大統領は、原潜派遣はロシア側に原因があると強調していました。原潜の動向は機密性が高く、通常は明らかにされないのですが、トランプ大統領は出演したテレビ番組で原潜がロシアの近海にいることも示唆していました。トランプ大統領は第1次政権時にも、北朝鮮に対する圧力強化策として、戦略原潜を韓国に寄港させたことがありました。第2次政権発足後、米国の核戦力を露骨に示したのは今回が初めてですが、トランプ大統領得意の、「Dealの一環」なのかもしれません。
ロシアはウクライナへの攻撃の手を緩めていなかったことから、トランプ大統領の一連の発言は、「ロシアへの不満の高まりを反映している」との見方も出ていました。トランプ大統領は、制裁発動の期限までに停戦の合意が成立しない場合、「ロシアに制裁を科す。」としていましたが、正に脅しの一環としての原潜の覇権であったのでありましょう。但し、ロシアにもデッドハンドの反撃の危険性はあります。デッドハンドとは、全面核戦争を想定し、米国の先制核攻撃で国家の指導部が全滅した場合、残るミサイルを米国に向けて、ほぼ自動で発射する核兵器の報復システムを指し、ソ連からロシアに引き継がれ、配備が継続されているものと思われます。それにしても、核保有大国の米露が、核兵器を背景とした脅し合いをすると言う危険な火遊びは如何なものでありましょうか。
尚、朝日新聞に、「今から80年前の1945年8月、米国・統合参謀本部の下部組織である統合戦争計画委員会(JWPC)は、日本を米英ソ中の4カ国で分割統治する計画案を提示していた。」との記事が出ていたが、筆者が知るところでは、こうした分割統治計画案があったことは事実、しかし、当時、共産主義が一気に拡大、中国本土から朝鮮半島、そして日本にまでそうした共産主義の流れが拡大することを恐れた当時の米国占領統治政府が所謂、反共連合を組織する為、米国の一国統治を英国に先ず納得してもらい、旧ソ連が主導する共産主義化の流れ、拡大を阻止した、そうした背景があって、当時の日本分割のリスクが米国に回避してもらったと考える日本の既得権益層が生まれ、それにより、米国に対する「恩義?!」のようなものを感じる向きも出て、これが、戦後日本の戦勝国・米国に対する従順さを生み出した。」との見方もあり、トランプ政権にいいようにDealをされても強い違和感や反発が出ない現行の日本が生まれているとの見方もある点、付記しておきたい。
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