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2026-03-17 10:12

対中不正輸出について

真田 幸光 大学教員
 米国政府・商務省産業安全保障局(BIS)は中国本土に米国製半導体製造装置を不法に輸出したとして、「アプライド・マテリアルズ(AMAT)」と韓国に拠点を置く子会社の、「アプライド・マテリアルズ・コリア(AMK)」に対して2億5,200万米ドルの罰金を命じたと見られている。

 これは、BISが明らかにしたことである。米国のカリフォルニア州に本社を置くAMATは半導体・ハイテク機器の世界的な製造メーカーであり、韓国にも子会社を持つ企業である。今回の罰金はこれまでBISが命じた中では2番目となる巨額であり、事態の重さが窺い知れる。BISによると、AMATは中国最大のファウンドリー(半導体委託生産企業)であるSMICに半導体製造装置のイオン注入装置を輸出してきているが、SMICは2020年から米国政府・商務省の輸出規制リストに記載されていた。

 しかし、AMATは2021~2022年にこれらの装置を韓国のAMKに送り、これを組み立てた上で中国本土に輸出してきたが、その際に必要な米国政府の許可を受けなかった為56回にわたり輸出規制に違反したとされている。米国の輸出規制は他国経由で輸出する場合にも適用されるものである。AMATとAMKが同様の手口で中国本土に不法輸出した装置の価格は約1億2,600万米ドルに達すると見られている。米国は、最先端の半導体技術が中国本土に渡らないよう米国製半導体や製造装置の輸出を厳しく禁じている。バイデン政権は韓国、日本、オランダなど半導体製造装置の主要な輸出国にも規制への参加を求めた。

 BISは今回の合意によりAMAT独自の輸出規制を監視し、不法輸出に責任を持つ担当者や幹部を今後雇用しないことを確認したと見られている。尚、現在、韓国には三星電子、SKハイニクスなどを顧客とする半導体製造装置メーカーが複数進出している。
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