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2008-03-21 11:09
民主党はおごり高ぶるな
杉浦正章
政治評論家
日銀総裁人事で完膚無きまでに痛めつけられた首相福田康夫が、暫定税率を維持したままで、ガソリン税などの道路特定財源を09年度以降すべて一般財源化することを視野に入れた修正案をまとめた。ここは我慢のしどころという心境だろう。民主党は暫定税率廃止に固執し、今日からの与野党協議にも強硬姿勢を取る方向だ。たしかに民主党の意見を入れない法案は通りにくくなっている政治状況だが、おごり高ぶってはいけない。ものごとには分というものがある。
言うまでもないが民主党は衆院において113議席である。これは衆院全議席の23%、与党勢力のわずか3分の1である。参院においては120議席で50%弱だが、政治的には参院は0.5院であり実際の政治力はその50%の半分程度としか言えない。要するに23~25%程度の“発言力”しかない政党が、政治のすべてを律してはならない。日銀総裁人事も福田の“愕然提案”のおかげで、政治的には勝利をおさめたが、ガソリン税問題では譲歩すべきである。同税で100%の勝利を狙うのはまさに政党としておこがましい。
世論の主張は総じて暫定税率の撤廃よりも、ムダの温床となっている道路特定財源の一般財源化を優先すべきだというところにある。民主党は暫定税率廃止を唱えるならそれに変わる税源を提示すべきである。民主党の政治手法は政治のすべてを政局化し、政府与党を揺さぶろうという一点に絞られるが、日銀人事にせよ暫定税率にせよ民意はそこにはない。各種世論調査で民主党の政治手法が否定されているのがそれを物語っている。
もし、民主党が妥協を拒否し、ガソリン税率を4月の1か月だけ引き下げに成功しても、良識ある国民は喜ばないであろう。むしろ民主党を“壊し屋”程度にしかみないだろう。国民の知的レベルは民主党が予測しているほど低くはない。国民の間に民主党だけには政権を委ねられないという信念が広がるだけだ。ここを見誤るべきではないが、これまたリーダーシップに欠ける代表小沢一郎ではしょせん無理な話か。
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