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2020-01-16 16:19

(連載2)2020年、世界展望

岡本 裕明 海外事業経営者
 「改」を当てはめたのは、国家の立ち位置が少しずつ変わり始める時代の幕開けだと考えていることもあります。第二次世界大戦後に生まれたブーマー世代は現役から退く年代となり、いよいよ次の世代がリーダーシップをとります。国家の指導部にも若手が増えてくる中、世代交代を如実に感じることになるとみています。保守と革新が年齢層を背景に拮抗する社会が見えそうです。
 
 経済はどうでしょうか。「高揚感なき好景気」であることは確かなのですが、現状の経済状況に不満の声が少ないのも事実です。欲を言い出せばきりがないのですが、少なくとも失業率が低く、金利も低いことでローンを組みやすい現状は多くの若手にはフォローの風となります。一方で経済が金利の上げ下げで調整できる時代はいずれ過去の産物となるとみています。成熟し、モノが豊富にある社会においては消費の概念が変わるわけでそれを金利の上げ下げで冷却や加熱するという物質消費前提のマネーの概念はもう古い発想になるとみています。そんな変化が始まる2020年代の幕開けです。
 
 好景気が長く続く世界で人々は経済的満足感から次の効用を求めるようになるでしょう。経済学の効用とは「財やサービスを消費することによって得ることができる主観的な満足・欲望充足(への貢献)の度合い」でありますが、財やサービスの消費だけではなく、提供する、寄付する、ボランティアする、貢献するといったテイクからギブによる効用という概念も私はあると思っています。
 
 「幸せ効用の極大化」を究極のゴールとすれば人々のマインドは次の時代に向かっていることは確かに感じられます。今日1月1日から我々は次の10年に向かって第一歩を踏み出します。そこには2010年代とは違う絵図があるでしょう。そして社会の価値観も大きく変わってくる、ここに向かって進む第一歩が2020年であると考えています。(おわり)
 
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(連載1)2020年、世界展望 岡本 裕明 2020-01-15 14:30
(連載2)2020年、世界展望 岡本 裕明 2020-01-16 16:19
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