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2008-09-18 01:14
ドバイの砂漠にぺんぺん草は生えるか?(笑)
亀山 良太
自営業
何もない砂漠に突如、高層ビルが立ち並び、それまでラクダに乗っていた人たちが車を乗り回す。そんな光景が展開されているのが、アラブ首長国連邦のドバイである。原油が枯渇したところで、大きく舵を切って、ショーウインドウのような都市を演出してみせた。現在、世界中でもっとも熱い都市である。
そもそも人口200万の国に1000万人分のビルを建築するとは、何かの間違いではないだろうか(笑)。普通は、産業の発展が人口の集中をもたらし、あとから不動産開発がついてくる。ところが、ムハンマド首長によれば、そうではなくて「不動産開発をすれば、あとから自然に人や金が集まってくる」のだという。高層ビルを建てるだけではあきたらないのか、数百の人工島までつくっているが、たちまち完売してしまうのだから、今のところ、おみごとというしかない。
将来、金融立国を目指す、と宣言しているから、アラブにおける香港を建造しようとしているのだろう。しかし香港は、改革開放以前の中国の貿易窓口としての役割があったし、現在でも、中国企業の海外ファイナンスの拠点を担っている。香港を香港たらしめている歴史がそこにあるのであり、一夜にして香港が誕生したわけではない。はたして、都市を工業製品のように生産することができるのだろうか。
まともな産業がないドバイには、逃げ足のはやい投機マネーしか寄り付かない。不動産を買うのは、もとより転売目的であり、住みついたり事務所を構えたりすることはない。いったん不動産が値下がりに転じれば、人も投機マネーもさっさと逃げ帰ってしまう。もしこのシナリオが正しければ、ドバイの繁栄はババ抜きゲームが続いている間だけの蜃気楼であり、ゲームオーバーになれば、ぺんぺん草も生えなくなる(もともと砂漠だっ)。
いやまてよ、世界中で紙幣が印刷され続ける限り、余剰マネーは行き場を捜し求め、それがドバイの蜃気楼を現実に変えてしまうかもしれない。もし10年後に、ドバイが金融立国として君臨していたなら・・・、つまり、マネーの力で人工的に香港が建造できるとしたなら・・・、きっと世界中の砂漠が香港だらけになってしまうに違いない(笑)。
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