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2010-04-02 19:32
(連載)「政治主導」と「脱官僚」について今一度考えてみたい(1)
関山 健
東京財団研究員
前原国土交通大臣は、新卒採用者向けの説明会に出て、「国の政策を担う『やりがい』を知ってほしい」と直接呼びかけたと、同省の人事担当者が語っている。国土交通省のウェブページによれば、「前原国土交通大臣が、「政治主導」の中での国家公務員の将来像と国土交通省の成長戦略を語ります」とのことである。
「政治主導」、「脱官僚」、「脱官僚依存」、「脱官僚支配」などのさまざまな単語が飛び交っているが、試しにその認知度を Yahoo! 検索のヒット件数で比較してみると、「政治主導」3,300,000件、「脱官僚」1,920,000件、「脱官僚依存」208,000件、「脱官僚支配」18,900件と、圧倒的に「政治主導」と「脱官僚」が市民権を得ているようである。
しかし、ここで敢えて「政治主導」と「脱官僚」について今一度考えてみたい。「政治主導」「脱官僚」を民間企業に当てはめれば、「役員主導」「脱社員」ということである。政務三役(会社で言えば役員)の大所高所にたった明確な指示と決断は、難題解決に不可欠だろうが、個々の職員のモチベーションを引き出すことや、組織に蓄えられた情報やノウハウを活用することなくして難局には当れないのは組織の別を問わないことだろう。
言うまでもなく現在の日本は、高齢化や人口減少という国内条件のもとで、厳しさを増す国際競争を生き抜いていかねばならない難局にある。この難局を乗り越えるには、役員たる政治家が社員たる官僚の力を最大限に有効活用してこれに当たることが、必要不可欠であろう。(つづく)
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(連載)「政治主導」と「脱官僚」について今一度考えてみたい(1)
関山 健 2010-04-02 19:32
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関山 健 2010-04-03 17:15
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