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2025-05-21 22:55

(連載1)マスクは無償で配ったのに、何故コメを「入札」しているのか

宇田川 敬介 作家・ジャーナリスト
 さて、今回は最近というか昨年の夏以降問題になっている「米の高騰問題」に関して、現在の石破内閣のあまりにも無策な対応に対して、非常に大きな問題を意識しているということに関して、その内容を見てみようと思う。
 
 今回の「米高騰」に関して、石破政権があまりにも無策であるという指摘が多くある。実際に、「備蓄米」を「小出し」にして、それでもコメ価格は全く下がらない状態である。そもそもという言い方はよくないかもしれないが、今回のこの米価格の高騰は、昨年の南海トラフ由来の東海地震の「警戒警報」から始まったことを覚えているだろうか。実際それまではコメ価格は安定していたということになる。
 
 地震が来るという恐怖感からコメを買い占める行為ができたということになる。そのことから、市場に出回る米の在庫がなくなったということを意味している。これは「日本国からコメがなくなったということではなく、市場に出回る米がなくなった」ということに過ぎない。つまり、「米の在庫」は「米問屋やJAなどに存在している」ということになる。しかし、政府はそのことを強制して米問屋などに在庫を吐き出させるのではなく、政府が持っている備蓄米、つまり「緊急用の米」を放出したのである。
 
 しかし、その放出した米も、「入札制」で売ったということになる。その入札の米をそのまま「米問屋」などが収奪しているということになるのである。もう一度言うが、そもそもの発端は「小売業における米の流通量の減少」である。それは「米問屋などが米を出さなかった」ということが大きな問題であり、そこに「備蓄米を供給する」などということがあること自体がおかしな話なのである。いかに、石破内閣、特にこの問題では、江藤拓農水大臣が米の流通や米に関する市場の動向を理解していないかということが大きな問題になっている。(つづく)
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(連載1)マスクは無償で配ったのに、何故コメを「入札」しているのか 宇田川 敬介 2025-05-21 22:55
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