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2025-05-31 00:29

(連載2)ハッピーセットの景品転売とそれに対する社会的問題意識

宇田川 敬介 作家・ジャーナリスト
 日本人の中にもそのような人物がいないわけではないが、しかし、ある意味で日本という社会の中で何らかの制裁は受けてしまうし、また、そのようなやり方は社会にそぐわないので、長続きがしないのだが、外国人は母国に逃げてしまいヒーロー扱いを受けるので、結局やめるというような内容にはならないのである。
 
 そのようなことで問題になるのは、大元の販売、今回の件であればマクドナルドの販売姿勢ということになる。任天堂がゲーム機「ニンテンドースイッチ2」の販売時に、ある程度の制限を設けて販売を行ったことなどから称賛を浴びているが、マクドナルドの場合はそのようなことは全くしていなかったことが大きな問題になっている。要するに、マクドナルドからすれば、「一人がすべて買い占めようと、売れる数は同じ」ということであり、売り上げということに関しては子供に当たらなくても同じであるということになるのであるから、特に規制をしていないという状況であった。逆に、そのようなことで販売の規制をかける方がコストがかかるというような企業事情もあるのではないかと疑ってしまうような対応である。
 
 その結果、販売期間が早くなり、また第二弾、第三弾は社会的な問題から販売できなくなってしまうというようなことが起きてしまうことになるのである。日本の法律が「性善説」的な観点からできているということがしばしば批判されるのであるが、一方の企業は「性善説的法律に従っているだけでは企業モラルが尽くすことができない」ということになり、それぞれが、何かをしなければ企業の信用を得られなくなってしまうということにつながっているということになるのである。
 
 そして、このような「モラルのない行動」は、そのまま企業活動を縮小する結果になり、そして日本の社会全体の景気を悪化させる一つの要因になるのである。そろそろ、政治が「再販売」「買い占め」などに関して、法的措置を考えるべき時ではないか。まあ、今の政権では無理かもしれないが、しかし、何かしなければ、政治的な信用も失われてくるのではないかというような気がする。(おわり)
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(連載1)ハッピーセットの景品転売とそれに対する社会的問題意識 宇田川 敬介 2025-05-30 23:27
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