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2025-09-23 17:11
(連載1)国内移動手段競争、インフラとして維持できるか?
岡本 裕明
海外事業経営者
日本国内の移動手段、その主なものは航空、鉄道、自動車であります。私企業の理論が入れば当然、そこから利潤を生みだしたいわけでその事業者は必死に攻め、守っていると言えます。他方、企業は常に成長を求めるため、拡大路線になりやすいともいえますが、適正利潤を得ながら拡大し続けるということは人口が増える前提がないとできないはずです。そこから考えると移動手段の拡大路線はどこかで破綻するのかもしれません。このあたりを考えてみたいと思います。
まず航空機。驚きだったのが26年3月期にJALとANAは国内線事業が赤字になることが見込まれているという報道です。理由は複合的ですが、基本的には新幹線や同業他社との競合で割引が増える一方、コストは高止まりしていることがあります。ましてや国内専業の航空会社、ソラシドは赤字、エアドゥも利益が急減するなど経営環境は厳しさを増しています。一方、航空会社が無くなる訳にもいかず、ここは早めに再編などを図るしかないのだとみています。例えばカナダのように国土が広く、移動手段の選択肢がさほど多くない国ですら主たる航空会社は2つしかなく、あと若干のリージョナルエアーとチャーター航空会社がある程度です。とすれば日本の航空会社は多すぎるなかでリージョナル会社がより成長しようとし、大手と割引という流血戦を続けているという構図とも言えます。
次に鉄道です。新幹線と都市部の鉄道だけを見ていると「儲かっている」と思います。25年の鉄道会社売り上げランクを見ると1位からJR東、東海、西日本ですが、そのあとは路線網の長い近鉄や東急、阪急阪神となり、それ以外のJR各社はぐっと落ちてしまいます。利益も多少順番が違いますが、ほぼ似たようなものです。利益率1位のJR東海は新幹線で持っているようなものであります。現在リニア新幹線を建設中でたぶん3-4年後に開通するのだと思います。これについては着工当時、私は事業として本当に必要なのかという疑問符はつけましたが、災害時の代替という発想からインフラであればやむを得ないと考えています。
一方、日本の鉄道は都市間移動の超特急という発想と共に中速鉄道という時速130㌔から260㌔程度で走る鉄道網の整備にシフトしそうな気配があります。日本でいわゆる中速鉄道はたしか京成スカイライナーの時速160㌔だけだったと思います。同路線も街中は線路がカーブだらけでスピードは出ませんが、郊外に出ると高架が完備され更に線路が広軌であることでその速度が実現できたのかと思います。(つづく)
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