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2025-11-29 21:19
(連載2)現代の世の中で「魔女狩り」がおこなわれているナイジェリア
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
「魔女」とされた子どもたちは、親や地域住民から激しい虐待を受けたり、家やコミュニティから追放されたりする。もともとあまりコミュニティに属していない孤独な子供が、ある意味でスケープゴートならぬ魔女になるということになるのである。その様に考えれば、村の大人が集団でいじめになっているのではないかということになるのである。一部のキリスト教ペンテコステ派などの新興宗教団体が悪魔払いの儀式を行い、親などから多額の報酬を要求するケースもある。悪魔祓いが行われるということがまさにその内容になるのである。
社会経済的背景としては、貧困、教育の欠如、伝統的な迷信に加え、一部の宗教指導者による扇動などが問題の背景にあるとされている。ある意味で「子供に対して村の矛盾を全て押し付けた排外主義的な内容」ということになるのではないか。特徴としては村で「魔女」とされてしまうと、その子供の親までも子供を忌避するということになる。そのような魔女狩りの被害に遭った子供は、推計で3万人もの子どもたちが親から虐待を受けているという報告や、20年間で3千人が殺害されたという報告もあり、被害は甚大である。こうした状況に対し、現地の人権団体や国際機関が保護活動や啓発活動を行っていますが、根深い問題として解決には至っていない。ナイジェリアで魔女狩りが起こる理由は、魔女の存在が固く信じられていること、女性の迫害、金銭目的、社会的な災厄への反応など、複数の要因が絡み合っている。
魔女の存在を信じる文化的背景としては、多くの人が魔女や呪術の存在を固く信じており、病気や不幸などの説明がつかない出来事を魔女の仕業と結びつける考え方が根強い。また、女性の迫害ということもある。社会的に弱い立場にある女性、特に高齢の女性や独身の女性が魔女だとされ、スケープゴートにされることがある。一方でビジネス的な金銭目的ということもあるのです。魔女狩りを主張する人物が、金銭や財産を得るために人を魔女だと告発するケースがある。同時に、社会的な災厄への反応ということがある。干ばつ、疫病、経済的困窮など、人的な内容によって力が及ばない社会に災厄が起きた際に、その原因を魔女のせいだと考え、魔女狩りで解消しようとする反応が起こることがあるのである。そして異教や呪術への弾圧があり、村の中における同調圧力が働いているということになる。キリスト教やイスラム教など、主流の宗教が伝統的な信仰や呪術を「魔術」として弾圧する背景がある場合もある。
実際に、今の医療がしっかりと行われることの少ない、薬などがないアフリカにおいては、まじないなどが、医療の代替となるケースがある。薬草やまじない、神頼みが衣料の代替となってしまうのである。ある意味で、日本の古代と同じである。その中で伝統的な医療では解決できない病気や不調を、魔女のせいだと考え、魔女狩りで解決しようとすることがあるのだ。さて、実際にこの内容に関して、どの様に人権的にまたは、村の秩序ということも含めて行うべきなのであろうか。少なくとも昔の日本も同じであり、そのような非科学的なことがある。同時に、今の日本でも宗教的な問題があるのであるから、なんとも言いようがないのである。(おわり)
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宇田川 敬介 2025-11-29 21:19
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