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2026-05-30 18:20
(連載2)日本でグテーレス事務総長が大国を非難
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
訪日中、グテーレス事務総長は高市早苗と会談しました。この会談では、日本側から「国連を中核とする多国間主義への支持は変わらない」という立場が示され、民主主義、法の支配、国連憲章の原則を維持していくことが確認されました。一方で、日本側は国連改革の必要性も強調しています。これは現在の安全保障理事会が、第二次世界大戦後の構造を引きずっており、現代世界の力関係を十分反映していないという問題意識に基づいています。
特にグテーレス事務総長が強く訴えたのが、安全保障理事会改革でした。彼は東京での記者会見において、「危機にあるのは多国間主義そのものではなく、拒否権を用いて国際法違反の責任を免れる大国の振る舞いだ」と述べ、事実上、ロシアやアメリカ、中国などの常任理事国の行動を批判しました。現在の国連安保理では、常任理事国が拒否権を行使することで、重大な国際問題への対応が機能不全に陥る場面が続いています。ウクライナ問題やガザ問題でも、安保理が十分機能していないことに対する不満は世界的に高まっています。
その中で、日本は長年、安保理常任理事国入りを目指してきました。今回グテーレス事務総長が「アジア人口は世界の半分以上を占めるのに、常任理事国は中国のみだ」と指摘したことは、日本やインドなどを含めた新たな常任理事国拡大論を後押しする意味合いがあります。つまり今回の訪日は、単なる記念行事ではなく、「国連改革の議論に日本をさらに深く組み込む」という外交的意味を持っていたと見ることができます。また、今回の来日は象徴的側面も大きく、今上陛下との面会も行われました。天皇陛下はグテーレス事務総長と皇居・御所で懇談し、長年にわたる国連活動への感謝を伝えられたとされています。グテーレス事務総長は今年末で任期満了を迎える予定であり、日本側としても、その功績に敬意を示す意味合いがありました。
さらに、今回の訪日は現在の国際社会における「国連の限界」と「それでも必要とされる国連」という二重構造を浮き彫りにしました。国連はウクライナ戦争や中東問題で十分な停戦実現能力を持てず、常任理事国の対立によって麻痺している面があります。しかし一方で、気候変動、感染症、難民、AI規制、海洋問題など、一国だけでは対応できない問題が増えているため、国連そのものを否定することもできません。グテーレス事務総長はその危機感を日本で強く訴え、「多国間協調が崩壊すれば世界はより危険になる」というメッセージを発していたといえます。(おわり)
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宇田川 敬介 2026-05-29 18:11
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宇田川 敬介 2026-05-30 18:20
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