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2008-11-23 22:49
(連載)オバマ新大統領下の米中関係(1)
関山 健
東京財団研究員
世界金融危機の本格化とアメリカ大統領選挙。今、世界中の政府関係者、経営者、ビジネスマン、エコノミスト、政治学者といった人々が、この2つの出来事が今後のアメリカ外交と国際政治経済に与える影響を注意深く観察していることだろう。その影響は、日本を含む東アジアにも当然及ぶものであるが、ここでは、特に米中関係の今後の動向について検討する。
未曾有の金融危機とそれに続くアメリカの不況の影は、アメリカの大統領選挙と今後の外交政策の方向性を規定する最大の要因といえよう。大統領選挙は、今年9月に民主・共和両党の党大会を終了した時点で、共和党のマケイン候補がややリードし、僅差での接戦が予想されていた。しかし、リーマン・ブラザーズの破綻をきっかけに本格化した世界金融危機の中で、経済政策が苦手で、政策的立ち居地が不安定だったマケイン候補に対し、政策姿勢が終始安定し、冷静な態度を崩さない振る舞いをみせたオバマ候補が支持を大きく伸ばした。
東京財団の渡部恒雄研究員は、「今回の危機ではアメリカ自身が世界の金融危機の発生源となっただけでなく、これらの世界規模での危機への対処においても十分なリーダーシップを発揮できず、かつ独力では対処できなかった。このことにより、世界の信任と尊敬を完全に失ったブッシュ政権への大きな『ノー』の反映が、オバマ候補の地すべり的勝利に繋がったのだ」と分析する。では、世界金融危機とオバマ新大統領の誕生は、米中関係の行方に如何なる影響を与えるのだろうか?
そもそも米中関係においては、1972年のニクソン大統領訪中による米中関係正常化がそうであるが、中国側の政策イニシアティブというより、アメリカ側の対中政策の影響を強く受けてきたという側面が強い。ここで歴史を振り返ると、ニクソンによる米中関係正常化後、多くの歴代アメリカ大統領は、共和党か民主党かにかかわらず、就任直後は中国に対して強い姿勢をとる傾向が見て取れる。これは、「人権を蔑にする共産主義国家・中国」への強気な姿勢が、アメリカ国内で大衆の支持を得やすいためだと考えられる。(つづく)
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